
フランク・ケイン
バイ:サウジアラビアは、世界の原油市場の安定回復のため、強力なG20の議長国としての立場を利用する意向。
サウジアラビアは、協調減産を議論するためG20エネルギー相の特別会合(他の2大原油産出国である米国とロシアを含む)を開催する。
会合は「バーチャル」形式で行われ、石油輸出国であるOPECプラスの会議の翌日(10日)に予定されている。米国のエネルギー長官であるダン・ブルイエット氏は、OPECのメンバーではない米国がG20サミットに参加することが重要だと語った。
サウジアラビアのエネルギー相であるアブドルアジズ・ビン・サルマン王子とファティ・ビロル国際エネルギー機関事務局長との間で行われた週末の電話会談により調整が進んだ。ビロル氏は6日アラブニュースに対し、G20の関与はグループの権限の一部であると語った。「G20の責務は、金融の安定を提供・維持することであり、
G20の関与は彼らの目的と一致している」
「石油産業は歴史上最悪の時期を迎えており、世界経済、金融市場、雇用に大きな影響を与える可能性がある。サウジアラビアは長年にわたって市場の安定要因となっている」
ロシアのプーチン大統領の側近であり、同国の直接投資基金CEOのキリル・ドミトリエフ氏は、サウジアラビアとロシアは原油減産で合意に「極めて近づいている」
とし、生産合意は「市場に非常に重要な安定をもたらす」と語った。ただ一方で重大な課題が残っている。これまでのところ、OPECプラスの加盟国間の協議は、
日量1000万バレル前後の減産に焦点を当てているが、この減産量は、新型コロナウイルスのパンデミックによる世界的な需要低迷の中、2000万バレル以上と推定される市場の供給過剰に及ぶものではない。
また、米国の石油企業が生産調整に参加することを許されるかどうかについての懸念もある。アメリカの独占禁止法はカルテルなどの行為を禁じており、多くの石油企業による協調的な動きは同法に違反することになる。
一部のエネルギー専門家は、米国最大の石油生産地であるテキサス州のエネルギー事業を管轄する、同州の鉄道委員会の決議が米国全体の生産制限に影響を与える可能性があることを示唆している。市場では先行きが不透明な状況が続き、ブレント原油価格は約5%安の32ドル強で推移した。