スーダンでは、2023年4月に内戦が勃発してから、まもなく2年が経過しようとしている。スーダン軍（SAF）と即応支援部隊（RSF）との間の権力闘争に端を発したこの紛争は、近年の歴史上でも最悪の人道的危機の一つに発展した。この戦争により、スーダンのインフラ、経済、医療制度は壊滅的な打撃を受け、膨大な数の人々が苦しんでいる。数百万人が住む場所を追われ、飢饉が迫り、近隣諸国は難民の流入への対応に苦慮している。国際社会は、この大惨事の深刻さを認識し、さらなる破壊を防ぐために早急な行動を取らなければならない。停戦を実現し、人道支援物資輸送路を確保し、この無意味な戦争を終わらせるための外交努力を強化しなければならない。

この戦争により、スーダンのインフラは瓦礫と化し、ほとんど機能しない国が残された。ハルツーム、オムドゥルマン、その他の主要都市では、水、電気、通信などの基本的なサービスが深刻な打撃を受けている。学校や大学は破壊されたり、臨時の軍事拠点に転用されたりし、スーダンの子供たちの世代全体が教育を受けられなくなっている。かつては貿易や移動に不可欠だった道路や橋は爆撃されたり、封鎖されたりし、地域全体が国内の他の地域から孤立している。銀行システムは崩壊し、企業は閉鎖するか、海外へ移転した。

経済的には、スーダンは急降下している。農業や製造業を含む主要産業の破壊により、数百万人が職や収入を失った。農民は暴力により土地を放棄せざるを得なくなり、食糧不足がさらに悪化した。インフレ率は急上昇し、基本的な必需品さえも手に入らなくなった。国連の推定によると、スーダンの国民の60%以上が現在、貧困ライン以下の生活を強いられており、戦争が終結しない限り、回復への明確な道筋は見えてこない。スーダンの経済崩壊は、単に国内の問題にとどまらず、経済的な絶望がさらなる暴力、犯罪、不安定化を招くことが多いため、地域の安定にも直接的な脅威をもたらしている。

スーダンの医療システムは、戦争前からすでに脆弱であったが、現在は完全に崩壊している。病院や医療施設は爆撃を受けたり、略奪されたり、あるいは軍事基地に転用されたりしている。ハルツームだけでも、ほぼ半数の病院が被害を受け、数百万人が緊急医療を受けられない状態にある。医療用品は底をつき、医師たちは麻酔や適切な滅菌処理なしで手術を行わざるを得ない状況だ。医薬品の不足により、特に子供、妊婦、高齢者の間で、予防可能な死が急増している。

早急な対応がなければ、スーダンは21世紀最悪の健康危機に直面する可能性がある

マジッド・ラフィザデ博士

コレラ、マラリア、デング熱などの病気の発生は、不衛生な環境と水インフラの崩壊により急速に広がっている。栄養失調もまた、スーダンの人口に壊滅的な打撃を与えており、数百万人の子供たちが飢餓に直面している。援助団体は、早急な介入がなければスーダンは21世紀最悪の健康危機に直面する可能性があると繰り返し警告している。しかし、人道支援団体は、戦闘部隊による継続的な暴力や官僚的な制限により、支援を必要としている人々に支援を届けるという厳しい課題に直面している。

スーダンにおける人々の苦しみは計り知れない。2,600万人以上の人々が緊急に人道支援を必要としており、少なくとも1,200万人が国内避難民となっている。家族全員が家を追われ、着の身着のままの状態で避難を余儀なくされている。多くの人々は、食料、清潔な水、医療ケアへのアクセスもままならない過密状態のキャンプで生活している。世界食糧計画（WFP）は、スーダンは飢饉の瀬戸際にあり、今後数か月のうちに数百万人が飢餓に直面する危険性があると報告している。

スーダンの紛争は、近年の歴史上最大規模の難民危機を引き起こしている。 100万人近いスーダン人が近隣諸国に避難しており、その中にはチャド、南スーダン、エチオピア、エジプト、中央アフリカ共和国などが含まれる。 これらの国々は、すでに経済的困難や国内の不安定さに苦しんでいるが、避難民の流入への対応に苦慮している。 難民キャンプは過密状態で、資金不足であり、食糧、水、医療などの基本的な必需品が不足している。

チャドでは、難民危機が現地の資源に多大な圧力をかけ、緊張状態を引き起こしている。エジプトの状況も同様で、スーダンの難民は法的・経済的な障壁に直面しており、仕事や教育を受けることができない。国際的な支援がなければ、スーダンの難民危機は地域全体を不安定化させ、さらなる紛争や避難を招く可能性がある。

スーダンの紛争は、内戦がもたらす悲惨な結末を改めて思い知らせるものである。この紛争に勝者はなく、あるのは死と破壊、そして苦しみだけである。かつてはより良い未来に希望を抱いていたスーダンの人々は、今や暴力と絶望の終わりのないサイクルに囚われている。歴史が示すように、内戦が持続可能な政治的解決に導かれることはまれである。むしろ、それは何世代にもわたって癒えることのない深い傷を残す。戦争が長引くほど、スーダンの再建は困難になる。この紛争を放置すれば、より一層の不安定化、より多くの死、より多くの苦しみを引き起こすだけであることを世界は認識しなければならない。

国際社会は沈黙を続けるわけにはいかない。まず、最も差し迫った第一歩は、暴力を停止し、人道支援のための通路を開くための停戦である。紛争当事者双方に交渉のテーブルに着くよう圧力をかけ、地域および世界の大国が紛争の調停に重要な役割を果たさなければならない。

同時に、国際社会は人道的努力に対する財政的および後方支援を強化しなければならない。国連、アフリカ連合、およびドナー国は、約束された支援が実際に必要としている人々に届くようにしなければならない。多くの支援の約束が履行されず、何百万人もの人々が食糧、水、医療ケアを欠いた状態にある。支援が遅れれば遅れるほど、失われる命は増える。

恒久的な平和を実現するためには、国際社会はアフリカ連合およびスーダンの近隣諸国と緊密に協力しなければならない。アフリカ主導の和平構想は、適切に支援されれば、長期的な安定の枠組みを提供できるだろう。これまでスーダンの各派の交渉の場として機能してきたジェッダ宣言は復活させ、拡大すべきである。外交は軍事行動よりも優先されなければならない。

結論として、2年間にわたる戦争により、スーダンは廃墟と化した。数百万人が避難を余儀なくされ、数千人が命を落とし、国家全体が崩壊の瀬戸際に追い込まれた。スーダン国民の苦しみは、もはや無視できない。国際社会は、言葉だけでなく具体的な行動で支援を強化しなければならない。停戦が成立し、人道支援が提供され、この残虐な紛争を終わらせるための外交努力が強化されなければならない。スーダンはこれ以上戦争を続ける余裕はない。世界の指導者、援助団体、地域大国は、スーダンの人々の平和と尊厳を最優先すべき時が来たのだ。

• マジッド・ラフィザデ博士はハーバード大学卒のイラン系アメリカ人政治学者。