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湾岸諸国はいかにして欧米より効果的にCOVID-19に対応したのか

2020年3月30日、UAEのアブダビ、COVID-19のドライブスルー検査で、医師が男性に綿棒で検体を採取する。(ロイター通信)
2020年3月30日、UAEのアブダビ、COVID-19のドライブスルー検査で、医師が男性に綿棒で検体を採取する。(ロイター通信)
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29 Oct 2020 04:10:50 GMT9
29 Oct 2020 04:10:50 GMT9

ジョナサン・ゴーナル

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生から10カ月が経ち、4,400万人が感染し、その後110万人の死亡が確認された。このウイルスとの闘いで、他の国々よりはるかに健闘してきた国が存在する理由をそろそろ問い質す時だ。

良い成果を収めている国の1つがUAEだ。否応なくやって来る次の微生物の攻撃に世界が上手く対処できるように備えようとしている研究者たちは、同国の記録を吟味している。

その一方で、アメリカは思いも寄らない敗北国の1つだ。アメリカでCOVID-19の感染者数は世界中でも群を抜いて最も多く、900万人以上であり、世界全体の20パーセントを占めている。また死亡者数が累計で230,000人という数字も、世界で最も多い。こうした数字はどちらも、3億3,000万人というアメリカの人口規模との釣り合いを失っている。インドの感染者数もほぼ同じだが、インドはアメリカの4倍の人口を持っているのに、ほぼ同じ数であり、死亡者の累計に至っては120,000人であり、アメリカの約半分でしかない。

同様に欧米諸国、とりわけアメリカやイギリスと、湾岸諸国とのパンデミックによる影響の相違も著しい。欧米諸国では、政治的な利己主義と優柔不断な迷いが致命的にも一体となって、タイムリーな対応を遅らせ、妨害してきた。厄介な政治体制に邪魔されない湾岸協力会議(GCC)加盟国の政府は、このパンデミックに対してはるかに迅速に対応できている。そして、UAEの場合はるかにそうだった。

UAEは1月29日、初めての感染者を発表した。1日あたりの新規感染者数は増加の一途をたどり、5月23日に最多の994人に達し、その後8月初旬には減少し、最少の164人になった。それ以来ずっと、1日当たりの新規感染者数はじりじりと増加し続け、10月23日には1,578人で過去最多となった。10月28日現在、UAEは累計で感染者数129,000人、死亡者数485人を記録している。

1日あたりの感染者数が増加したのには、2つの原因がある。つまり、検査数を増やしたことであり、これは以前よりも多くの感染者を否応なく発見することになるからだ。そして、段階的な経済の再開だ。これにより感染が増加することは避けられないからだ。しかし、決定的なことだが、感染者数が増加したからといって、これに比例して死亡者数が増加したわけではない。

しかし、累計の感染者数と死亡者数にしか注目しないと、国のコロナ対応をしてきた経緯に歪んだ印象を与えてしまうことになる。この尺度で言えば、累計感染者数で、UAEは世界最悪の影響を受けた国のワースト順位で38位となる。死亡者数が適用された指標では、485人が死亡して、同国は83位となっている。

国のコロナ対応がいかに効果的かということを本当に評価するには、感染者数、死亡者数、人口あたりのその他の統計値を検討することになる。人口100万人あたり12,995人の感染者が出ているUAEは世界ワースト43位だが、(世界ワースト2位となり、100万人あたり46,990人の感染者が出ている)カタールをはじめとして、GCC加盟の近隣諸国の4カ国よりも相当良い記録となっている。この尺度で言えば、人口100万人あたり9,879人の感染者が出て、ワースト62位のサウジアラビアだけがUAEをわずかに上回っている。

新型コロナウイルスによる死亡者数でもまた、国々の人口規模との関連性が見られるはずだ。UAEの累計死亡者数は人口100万人あたりの率でわずか49パーセントに相当し、世界平均の150パーセントよりはるかに低い。この尺度で言えば、UAEはアメリカやヨーロッパのあらゆる主要国を含めて108カ国の他の国々より良い成果を収めていることになる。

厄介な政治体制に邪魔されないGCC加盟国の政府は、このパンデミックに対してはるかに迅速に対応できている。

ジョナサン・ゴーナル

UAEはこの感染症によって引き起こされる惨状を最小限に止めようとして、世界の多くの国々より着実に成果を収めてきている。どうしてだろうか。答えの1つは医療体制だ。UAEはこの体制により、患者に最高の専門的知識と装置の利用を確保する保険制度に支えられて、世界に誇る診療所と病院に恵まれているからだ。しかしそれでさえ、UAEがこのパンデミックの影響を最小限に止めようとして、まさに最初から迅速で理性的に対応しなかったらほとんど意味をなさなかっただろう。

2月にこの地域の全18カ国が世界保健機構の感染症に関するナショナルアクションプランの外部評価を受けた。そして、ある国だけが最高点の評価を受けた。それがUAEだった。UAEがこのパンデミックの中で講じた時宜にかなったあらゆる措置で、対策準備が出来ていたことは明白だった。早期に課した渡航制限から、学校や職場の閉鎖まで、UAEは先んじていた。

アメリカ、イギリス、その他のヨーロッパ諸国の多くが経験して明らかになったように、新型コロナウイルス規模の未曾有のパンデミックの脅威に直面することになると、世界的な危機の真っ只中でさえ、公共の利益ではなく、次回の選挙に注力する政治エリートのいる国々は、自国民の公衆衛生を阻害することになる。

ジョナサン・ゴーナルは、かつてタイムズに在職したイギリス人ジャーナリストで、中東で生活して働いてきたが、現在はイギリスを拠点としている。@Syndication Bureau

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