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レバノン大統領、イスラエルとの海上国境問題は解決間近と表明

レバノン・イスラエル国境付近で、イスラエルのロシュ・ハニクラ(レバノン名ラス・アル・ナコウラ)沖に向けて地中海に引かれた海上境界線。2022年10月7日(AFP)
レバノン・イスラエル国境付近で、イスラエルのロシュ・ハニクラ(レバノン名ラス・アル・ナコウラ)沖に向けて地中海に引かれた海上境界線。2022年10月7日(AFP)
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11 Oct 2022 04:10:25 GMT9
11 Oct 2022 04:10:25 GMT9
  • イスラエル企業がカリシュガス田でポンプテストを開始
  • 米、レバノン政府は交渉に「賢明に対応している」

ナジャ・フーサリ

ベイルート:レバノン大統領は南部海上国境をめぐるイスラエルとの対立に進展が見られることを歓迎し、アメリカが主導して行われていた交渉は解決が近いと述べた。

レバノン大統領府によると、もっとも最近の交渉が終了し、アメリカの仲介担当責任者、アモス・ホッホステイン氏は最終合意の草案を準備中である。

「南部洋上の国境画定問題で合意に達すれば、レバノンは排他的経済水域内にある石油・ガス田で探査作業を開始することができます」とミシェル・アウン大統領は述べた。

アウン氏はまた、合意文書への署名は「経済再生プロセスの始まりになる」とも語った。

ホッホステイン氏は日曜日、アウン氏と電話で会談し、レバノン側の交渉態度は賢明なものだったと伝えた。 

大統領府は、ホッホステイン氏の提案の最終版を注意深く検討するとしている。

イスラエルが草案に対するレバノンの修正案を拒絶した数日後に、前向きな反応が得られることになった。

アメリカ国務省の報道官は月曜日、アル・アラビーヤに対し、ホッホステイン氏は主要な相違点の解決に取り組んでいるとした上で、「持続可能な合意は可能であり、また間近だ」と付け加えた。

日曜日、イスラエルのエネルギー企業Energeanがカリシュ沖のガス田で、浮体式生産設備へガスをポンプで送り込む作業を開始した。

これは、「テストが終了次第、今後数週間以内にこのガス田から天然ガスを採掘するのに使用されるポンプの安全性の確認のため」の逆流試験の一環である。

アメリカはレバノンに、このテストは協議の枠組みの中で行われるもので、実際のガス生産はまだ始まっていないと伝達した。

先にヒズボラは、レバノンが海上に持つ権利を完全に保証されるまで、イスラエルによる採掘作業を阻止すると警告していた。

7月に、ヒズボラはカリシュガス田に向けて3機のドローンを発射したが、イスラエル側はこれを迎撃したとしている。

ヒズボラのハッサン・ナスラッラー書記長は以下のように表明した。

「ドローン発射は、仮に否定的な結末が訪れた場合、我々ができることの小さな例に過ぎない」

イスラエルのイェディオト・アハロノト紙によると、親イラン派のハッカー集団がEnergean社のウェブサイトとイスラエルのガスパイプラインを遮断し、そのため逆流試験は一時中止されることになった。

ホッホステイン氏の提案では、ライン23をレバノンの海上国境としており、カリシュ油田の全域がレバノンの管理から外れることになる。 

カナ油田の一部はレバノンの領海内に入るが、領海外の部分に関しては、イスラエルではなく、フランスの巨大石油企業、トタルエナジー社と交渉しなければならない。

この提案では、約5平方キロメートルの海域の主権がレバノンからイスラエルに移ることになるため、レバノンは反対しており、一方イスラエルはこれを「安全保障上必要な変更」と見なしている。

イスラエルは2000年にレバノン南部から撤退する際、浮標による境界を引いて、これを一方的に国境線としている。

先週、イスラエルはこの境界を引き続き国境線とすることに対しレバノンが出した懸念に反発していた。

レバノン側の情報筋によると、合意の最終案に関して手に入るデータを見る限り、見通しは明るい。

ヒズボラのシェイク・ナイーム・カセム副書記長は月曜日、ヒズボラは最新の交渉の「結果を期待している」と述べた。

一方、レバノンのカファル・キラの町長は、住民が国境の向こう側にあるイスラエルの入植地から電気を引いているという情報を否定した。

キラ・ハサン・シート氏は「たとえ電気がまったく使えないとしても、このようなやり方をすることはありません」と述べた。

インフラが危機的状況にあるレバノンではしばしば、自家発電機や太陽光発電が用いられている。

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