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石油、波高し

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03 Nov 2020 06:11:54 GMT9
コーネリア・メイヤー
03 Nov 2020 06:11:54 GMT9

先週は石油市場にとって試練の週で、週末にかけて悪化の方向に向かった。

コロナウイルス感染症(COVID-19)症例数は900万の水準を超えたアメリカでは制御不能の悪循環に陥った。ヨーロッパでは各国はさまざまな程度で制限やロックダウンを再度課すしか代替策がなかった。

イギリスのボリス・ジョンソン首相は日曜、11月5日から12月2日まで、レストラン、バー、パブ、そして不要不急な小売店のすべては再度閉店すると発表した。また、同国政府は重要な商用旅行を除くすべての旅行を禁じ、社会的交流は最低限ぎりぎりまで削減することを命じた。

英国政府は経済コストが200億ポンド(258億3,000万ドル)までになりそうで、これがリシ・スナック財務大臣がもう一カ月自宅待機策を延長した理由である。

そのような大胆な措置には石油需要に影響がある。ウイルスを抑える共同的な試みにより、市場から一日あたり300万バレルまで影響すると考える石油業者もいる。

最近のウイルスの再流行は5カ月で最低レベルに達した石油価格に大きな影響があるのは明らかだ。先週、コモディティは約10パーセント下がり、下落は月曜まで続いた。中央ヨーロッパ時間(CET)午前中にブレント原油先物は1バレルあたり37.30ドルに達し、ウェスト・テキサス・インターミディエイト (WTI)は1バレル35.01ドルで現在30ドル半ばで取引されている。わずか1週間前には取引範囲は40ドルあたりだった。

下落する需要では足りないかのように、リビアは市場に猛烈な復活を果たした。8月、リビアは日産約8万バレルであった。リビア国民軍の指導者ハリファ・ハフタル氏が石油設備を阻止したためだ。同設備はリビア国営石油会社の管理下で、国連に認められている政府のファイズ・サラージ首相側にある。

最新のジュネーヴでの停戦会議での打開により、ハフタル氏が再度石油の流通を許すこととなった。生産は日産60万バレル水準に近づき、年末までには日産100万バレルになる予定だ(リビヤは今年初め、日産120万バレルを生産していた)。リビヤとイランはOPEC+(OPEC諸国とロシア率いる同盟10カ国間の連合)の生産カットからは免除されている。

石油産出地域では、上流の企業だけでなくマージンに大打撃があった製油所も生活はまだ厳しい。シェルは今後数年で製油所を6カ所に削減し、他のメジャーも製油所のポートフォリオを見直している。

将来に全く希望が持てないわけでない。中国は経済低迷から見事に回復中で、経済がうまく上向いていることを示す製造業購買担当者指標(PMI)の数字を伝えている。中国の製造業PMI は51.4である。韓国と台湾は製造業PMIはそれぞれ51.2 と 55.1である (50を上回るPMIは業界の成長を、50未満は縮小を示している)。

全世界の原油在庫は9月と10月に日産200万バレル落ち込んだ。在庫量がその軌道で続くかどうかはこの先の全世界の需要供給のバランス次第だ。

これは、1月から4月まで日産770万バレル削減を日産580万バレルまで縮小予定のOPEC+にはジレンマを引き起こす。連盟は11月30日と12月1日に各国大臣が会合するときに可能かどうか判断する必要がある。すべてはさまざまなロックダウンが需要にどれだけ影響するか、東アジアの経済成長の影響を考慮するか次第である。

供給は別の問題だ。OPEC+はリビヤに生産制限を課すかどうか決める必要がある。同国はこれまで削減から除外されてきた。

この文脈では、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が2021年4月までの連盟の現在の生産削減の拡大に全く反対ではないと述べたことを聞けて興味深かった。OPECとその中心人物であるサウジアラビアにとって、ロシアに削減を納得させるのは伝統的には簡単でなかった。シベリアの石油産業や同国の他の場所では常に生産を再開したがっており、そのため懸命に働きかけを行っている。モスクワ、リヤド、およびさまざまな首都間の電話外交がOPEC+大臣会議に先んじて速度を増すことを期待しよう。

これで石油市場への米国大統領選の影響が残ることになる。

民主党ジョー・バイデン候補が選挙に勝てば、業界に強力な環境条件を課すことは確かである。また、アメリカを気候変動に関するパリ協定に戻すだろう。

直観に反するようだが、さしあたり潜在的なバイデン大統領が北米の石油消費にプラスに影響するだろう。なぜなら、共和党よりも強力な緊急経済対策を考え出すと見込まれているからだ。バイデン氏が著しい石油需要増となりうるフランクリン・D・ルーズベルト元アメリカ大統領流のインフラ支出に着手したら特に当てはまる。

バイデン大統領下でのアメリカの包括的共同作業計画への復帰とイラン石油輸出の制裁解除は容易でなく時間がかかるであろう。その結果は早ければ2021年中盤までには石油市場で感じられるだろう。

全体から見ると、石油市場は、低需要と高供給という双子のショックに再び直面し、適した場所ではない。 明確なイメージを持つには、ロックダウンがウイルスを封じ込められるか、アジアが成長し続けるか、そして米国大統領選の結果がどうなるかを待たねばならない。その間、シートベルトを締めよう。

• コーネリア・マイヤー氏はPh.Dレベルのエコノミストで、投資銀行および産業界で30年の経験がある。彼女は事業コンサルタント会社のマイヤー・リソーシズの会長兼CEOである。Twitter: @MeyerResources

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