
フランク・ケイン
ドバイ:サウジアラビアとロシアは、世界のエネルギー需要の劇的減少により危機に瀕している原油市場のバランスを再調整するために、石油生産の「歴史的」削減に合意した。
石油輸出国機構ウィーン本部が主催する石油生産国の仮想会議中に合意された削減により、当面の間、毎日の石油生産が1,000万バレル以上減少する。
協定の「概要」となる最終的な詳細はまだ検討中である。サウジアラビアの石油情報筋は、世界の石油産業が直面している課題に対する決定的な救済策は、議長国のサウジアラビアのもと、G20エネルギー大臣の会合を待たなければならない可能性があると述べた。その会合は今日行われる予定である。
削減の開始時期、期間、規模は、OPECの代表によって昨夜決定された。
OPECプラスの同盟関係をリセットするこの協定は、先月生産削減計画をめぐり対立し、先週末の原油価格の争いについて非難の応酬を交わしたサウジアラビアとロシアの間の和解を意味する。
[caption id="attachment_12763" align="alignnone" width="500"]「ロシアとサウジアラビアは、米国と緊密に協力することで、世界のエネルギー市場に安定を取り戻すことができる」と、ロシア直接投資基金のチーフエグゼクティブでロシアの交渉チームのメンバーであるキリル・ドミトリエフ氏は、アラブニュースに語った。
「パンデミックに直面して、我々は立場の違いを越えて、OPECプラスメンバーと他の産油国を巻き込む協定に向かい前進することに同意した。これは、重大で歴史的瞬間である」。
中東のベンチマークであるブレント原油の価格は、OPECプラスの協定に関係なく、供給過剰の水準に対する継続的な懸念を反映している。米国の午後半ばの取引で、ほぼ1%下落し33.35の値を付けた。
オンライン会議は、OPECが世界の石油需要の落ち込みについて詳細に説明したため、悲観的な見通しから始まった。アナリストは、コロナウイルスの蔓延防止のために経済が停止したことにより、3月に世界的な消費の20パーセント以上が消滅したとしている。生産国が記録的な速度で原油を産出しているため、世界的な貯蔵能力が急速に不足している。
OPEC事務局長モハメド・バルキンドは、削減が合意に至らない場合、来月までに貯蔵スペースが満杯になると代表団に語った。彼は、1日あたり平均685万バレルの需要が今年消滅すると推定した。「需要と供給の原理は恐ろしいものである」と彼は付け加えた。
ロシアのエネルギー大臣であるアレクサンドル・ノヴァクは、すべての石油産出国が削減に貢献すべきであると会議で発言した。これは、ウィーンでの会合に出席しなかった米国を向けられたものであった。米国エネルギー省長官のダン・ブルイエット氏は、今日のG20会議に参加する予定である。