




タブーク:コーランの言葉を8年かけて30枚の大理石の板に刻んだサウジアラビアの彫刻家は、作品がギネス世界記録に認定されることを望んでいる。
フスバン・ビン・アフマド・アル・エニジ氏は20年前、アラビア語に興味を持ち始め、彫刻への情熱が芽生えた。
そして、タブークにある作業場から採掘された岩塊や花崗岩にビスミッラー(コーランの冒頭部分)を彫り始めた。
アル・エニジ氏は、王国各地で開催された多数の工芸イベントやフェスティバルに参加している。現在は、若い芸術家を訓練するための施設を開設し、サウジアラビアの次世代の彫刻家を育てたいと思っている。
彼はオスマン書道を用いて、グリーンマーブルの板にコーランを彫刻した。サウジアラビア北西に位置するタブーク地域には城や宮殿がたくさんあり、何世紀にもわたって芸術家にひらめきを与えてきたのだという。
この地域にはサムード、アラム、ナバテアなど多くの民族が拠点を置き、遺跡からは紀元前数百年前の人間の痕跡が見てとれる。
古代の民は木や石を彫ってすきや小舟をつくるのみならず、家まで建てていた。サウジアラビア政府はHeritage Commissionを設立し、彫刻などの芸術や工芸の存続に力を注いできた、とアル・エニジ氏は言う。
SPA