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G20のトロイカ体制 – 日本とアルゼンチンがサウジアラビアの助言役を務める

大阪G20開催中のランチ会談で、日本の安倍晋三首相(前列中央)がサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン王子とアルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領(前列右)に話をする。 (AFP)
大阪G20開催中のランチ会談で、日本の安倍晋三首相(前列中央)がサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン王子とアルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領(前列右)に話をする。 (AFP)
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14 Dec 2019 11:12:46 GMT9
14 Dec 2019 11:12:46 GMT9

Alexander Woodman

2017年のG20ハンブルグサミットの最終陳述で、向こう3年間のG20 サミットの主催を、アルゼンチン、日本、サウジアラビアによる新たなトロイカ体制で行うという発表があった。トロイカ体制の発表は各回のG20 サミットの必須事項であり、前年度・当該年度・次年度のG20 主催国がG20の目標の一貫性及び継続性を達成するために協働することへのコミットメントを確保するためのもの。2020年は日本とアルゼンチンがサウジアラビアを助言・指導することになる。

このトロイカ体制で最初の主催国となったのはアルゼンチンであった。G20 ブエノスアイレスサミットが2018年に開催され、その主要テーマを「公平で持続可能な開発への合意を構築する」ことに決定した。各会合、討論、合意事項はこのテーマにのっとるものであった。根本的な問題は、一部の経済成長途上の国々における財政上のリスクや影響に直面する昨今、G20がいかにその結束を保ち、経済成長を強化していくべきかということ であった。G20 ブエノスアイレスサミットは、人々の仕事の未来、開発のためのインフラ、持続可能な食料の今後、ジェンダーの平等に焦点を当てた宣言を発表して閉幕となった。

トロイカ体制の二番目の参加国は日本だ。2019年大阪サミットでは、「世界的な持続可能な開発を確実に実行する」というサミットの基本テーマの枠内で、8つの最重要項目が取り上げられた。それらの項目は「世界経済」「貿易と投資」「イノベーション」「環境とエネルギー」「雇用」「女性のエンパワーメント」「開発」そして「健康衛生」。

大阪サミットの主な達成事項:

G20加盟国は制約のない妥当な義務的ポリシーを要望 。

中国とアメリカは貿易交渉の再開に合意。

国境を越えた自由なデータ交流のための新たなポリシーを採択。

先進国と開発途上国の間の貧富格差を縮小。

G20のリーダー国は新たに「大阪ブルーオーシャンビジョン」に合意、2050年までに海洋へのプラスチック廃棄の低減を目指す。

アルゼンチンでは、G20のリーダー国が世界貿易機構の改革方針の実施を開始することに合意した。

G20大阪サミットの各リーダー国 は最優先の世界経済上の課題に対応することで合意した。彼らは、複数階層を交えた対話と会合を通して、これまでのG20主催における達成事項をさらに増強させた。

G20大阪サミット閉幕の記者会見では、日本の安倍晋三首相が大阪サミットについて次の様に語った。「現在の世界では対立というものがことさら強調される傾向にありますが、我々は共通事項や合意点を求めています。日本ならではのアプローチにより、この大阪サミットではG20が団結し、世界の諸問題について強力なメッセージを発信します。この大阪サミットは具体的な行動へ向けての大きな勢いを生み出しました」

このトロイカ体制のサイクルはサウジアラビア主催の2020 年G20リヤドサミットを もって終了する。このサミットは加盟20カ国によるG20結成以来15回目のサミットとなる。各回の G20では主催国が中心テーマを宣言する。現在サウジアラビアが考えているテーマは、「すべての国々に21世紀の機会を実現させる」というもの。議論や会合はすべて3つの主な目標とその付随事項に関して行われる。

人々に機会を提供 – 誰もが豊かな生活や教育や仕事を手に入れる機会が得ら

れ、ジェンダーや年齢による差別がなくなる。

地球を守る – 共同努力を集結させて地球を守り、気候変動問題に取り組み、的確な行動と方針をもって環境を保護する。

新たなフロンティアを形成 – 長期にわたる大胆なアプローチを実施してイノベーションと技術進歩による恩恵を共有し、宇宙の可能性について研究調査する。

サウジアラビア主催のG20 は2019年12月1日に開始し、2020年11月30日まで続けられる。リーダー国によるサミットは2020年11月21日と22 日に予定されており、リヤドで開催される。今年度の開催期間中、サウジアラビアは100以上の会合、大会、閣僚会議、広報・公官職・民間団体代表による会議を企画運営する。

2020年のG20に於けるサウジアラビアの公式メッセージで、サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ・アール=サウード国王は以下のことを強調した。「G20では、我々は一丸となって世界的協力を推し進める責任を有しています。我々は人々に機会を与え、あらゆる人々にとってより良い未来への道を切り開かなければなりません」

  • Alexander Woodmanはアラビア湾地域を拠点とする著者。彼の調査対象は、世界の健康衛生、国際的健康衛生ポリシーの開発、国家・文化を超えた健康衛生ポリシー、倫理問題、国際外交など。 [email protected]  
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