
アラブニュース
ニューヨーク:サウジアラビア当局は、国内に住むすべての人々をケアし、その健康を守る取り組みの一環として、エイズと闘い、発症した人々に支援を提供するとの決意を表明したことをサウジ通信社(SPA)が10日に報じた。
サウジアラビアの国連常駐代表部臨時代理大使を務めるムハンマド・アル・アティーク氏は、同国はエイズと闘うための予防・治療プログラムを提供し、若い人々の罹患を防ぐとともに、この病気を巡る偏見を排除して患者の権利を守り、差別を防止すべく努めていると述べた。
アル・アティーク特使は、「2001年HIV/エイズに関するコミットメント宣言」の継続的な実施について議論するニューヨークの国連総会本会議でのスピーチで、今回の発言をした。
サウジアラビアは1994年に、中央本部と全国各地の20支部からなる「国家エイズ・プログラム」を立ち上げたとアル・アティーク特使は述べた。同プログラムは、治療および精神的・社会的サービスを含めたヘルスケアに加え、エイズの原因となるHIVウィルスの伝染を防止するためのサービスを提供している。
プログラムは、母親と子供たちを含む一般市民に対してエイズに関する教育と情報を提供する取り組みを行っており、内容としては、定期的な啓発活動、治療案内、カウンセリングサービスを提供するほか、任意の検査施設も備えている。
サウジアラビアの近年の特筆すべき改革の一つに、2018年に立ち上げたエイズ防止システムがある。これは、教育や仕事を続ける権利、必要な介護やリハビリを受ける権利など、患者とその家族の権利を守るものであるとアル・アティーク特使は述べた。
同システムは保健当局に対しても、患者に医療、カウンセリング、精神的サポートを提供し、患者の権利を尊重し、感染経路、予防法、治療法について患者を教育し、エイズに関する一般的な意識を高めるよう義務付けていると特使は付け加えた。
システムはまた、HIVに感染あるいはエイズを発症した妊婦に対し、中絶を強要したり、病気を理由として子供の親権や養育権を奪ったりしてはならないと警告し、妊婦と胎児に必要な医療を提供する必要性を強調していると特使は述べた。
特使はまた、サウジアラビア国民のHIV感染率は最も低いレベルではあるが、同国の法律や規制は、発症者を差別したり、貶めたり、尊厳を傷つけたり、権利を侵害したり、搾取に誘導したりするいかなる行為や怠慢も禁じていると指摘し、これらの規則への違反は、法的に罰金や禁固刑を伴う犯罪となり、被害者は補償を求める権利を有すると述べた。
サウジアラビアは、2030年までにHIVとエイズの撲滅に向けた地域や国際社会の戦略を支持しており、それは、同国の法的枠組みや国家枠組み、さらには宗教的・文化的価値観とも一致していると特使は付け加えた。