
ルノー・日産自動車・三菱自動車が2017年9月に提携の戦略プランを発表した際、プランのゴールは2022年までに世界最大の自動車メーカーになるというものだった。
今週水曜に3社は「生き残ること」という控えめな目標を掲げ新たなプランの概要を述べる予定だ。
「リストラやコスト削減の調整、多くのプロジェクトの削減も含まれるだろう」と、プランについて知る人物が発表に先立ち、匿名を条件にロイターに語った。
2018年のカルロス・ゴーン氏の逮捕、続いて氏をアライアンスの代表取締役会長から解任した後、改めてパートナーシップの再構築を目指す3社は、新型コロナウイルスの感染拡大に飲み込まれあえいでいる。
3社ともに利益は落ち込でおり、今週の後半にルノーと日産はそれぞれに再建計画を発表する予定となっており、これにより数千もの業務にリスクを来す恐れがある。
新たな提携体制では、1社があるタイプの車の製造や販売拠点をリードし他2社がそれに続くという、よりシステマチックな業務の分配に注力すると見られている。
「『リーダー・フォロワー構想』の明確なアプローチと、会社間の補完性に基づくこのプランには前向きな姿勢がある」と、ルノーに近い情報筋の人物は語った。
費用共同負担や資本構成に関しての数年に及ぶ議論は、このアライアンスが今のところ部品の共同調達という意味を超えられず、3社の世界的な規模を競合優位性へと転換することに大部分において失敗していることを意味していた。
ルノーの株の15%をすでに保有しているフランス政府は、今やこのアライアンスに対し黙っていられないはずだ。
ルノーは世界的なパンデミックによる売り上げの落ち込みの救済のため、50億ユーロ(55億ドル)の保証貸付をフランス政府に求めている。フランス政府はその見返りに、国内での労働をサポートできるような電気自動車や新型バッテリーなどテクノロジーへの投資をルノーに求めている。
他にはドイツの自動車メーカー、ダイムラーAGのアライアンスにおける立ち位置が大きな懸念となる。ダイムラーは今後開発するバンや小型エンジン、ピックアップトラックに関するコスト削減を約束して2010年に日産自動車・ルノーのパートナーシップに参加した。しかしそれ以来共同のプロジェクトは極めて少ない。
ルノー、日産、2016年にアライアンスに加わったジュニアパートナーの三菱にとって、それぞれ社風の違いがあり、資本構成に関して一触即発の緊張状態が続いているため共同での事業はチャレンジとなる。
ルノーは日産の株を43%保有しており、一方日産はルノーの株を15%保有していて議決権はない。
ルノーは、1999年にゴーン氏が合併に向けて行った処置によって日産を財政破綻から救い、それにより軋轢ができたためこのような構造となっている。当時日産は合併に対し強く反発した。
アライアンスの会長であるジャン=ドミニク・スナール氏は今年の初めに、シニアアライアンスの筋から本格的な合併が現在のところ棚上げされていることに関して何か話があったとしても、3社は協力を深める以外に「選択肢はない」と語った。
(ロイター)