
ベイルート:ルノー・日産の元会長であるカルロス・ゴーン被告は、4日に放映されたインタビューで、フランスの検察官らがレバノンを訪れ、彼らから事情聴取を受けると明らかにし、日本の検察が同様の対応をしないことを疑問視した。
同被告の発言は、レバノンの司法当局者が、フランス捜査官のチームが1月にベイルートを訪れ、ゴーン被告らの事情聴取を行うことを明らかにした2週間後のものだ。
レバノン、ブラジル、フランスの国籍を持つゴーン被告は2019年末に、世界を驚かせた衝撃の逃亡劇で日本を逃れ、同年12月30日にレバノンに到着した。
66歳の同被告は、日本での裁判に加えて、ルノーと日産を率いていた際の、脱税、マネーロンダリング、詐欺行為、会社資産の流用などの容疑によりフランスでも調査を受けている。
ゴーン被告は、逃亡先のレバノンには中立性があると述べ、レバノン当局が日本の当局者に対し同被告の罪状を示すよう要請した際に、日本側が対応しなかったとして日本側の対応を疑問視し、自身が無実であり、日本の司法制度の犠牲者であると主張した。
同被告は、「フランスの検察官がレバノンを訪れ、彼らから事情聴取を受ける。日本の検察はこうした対応をしていない。すべての容疑は不当だ」などと語った。
日本の大手自動車メーカー日産のトップを約20年間勤めた後、ゴーン被告は2018年11月、背任行為、個人的利益を目的とした企業資産の不正使用、自身の役員報酬金額の部分隠蔽による証券取引法違反の罪で日本で逮捕された。同被告は不正行為について否認しており、保釈金を払って自宅軟禁下で裁判を待っている間に日本脱出を図った。逃亡先のレバノンは日本の送還要請に応じていない。
ゴーン被告は地元のレバノン放送(LBC)のインタビューで、近代史上最悪の経済・金融危機を経験しているレバノンは「市民を保護することを証明した」と語り、「私はフランス国民だが、フランスは私を守ってくれなかった」と付け加えた。
フランスでは少なくとも2件のゴーン被告関連の調査が開始された。一つは、ルノーとオマーンの販売会社との間の不審な取引、もう一つは、オランダ統括会社「ルノー日産BV(RNBV)」が負担した私的な旅行やイベント費用に関するものだ。
また、ベルサイユ宮殿で自身の結婚披露宴を開く際に、会社の資金を流用した疑いも持たれている。
フランス側の調査は、2009年から2020年の間に行われた一連の会社資金の不正使用疑惑の首謀者を特定することが目的となっている。
AP