
日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国による「クアッド」は13日、豪シドニーでエネルギー相会合を開いた。日本からは萩生田光一経済産業相が出席。萩生田氏は米豪の関係閣僚とも個別に会談し、エネルギー分野でのロシア依存低減へ、液化天然ガス(LNG)増産を改めて要請した。
経産省によると、会合では脱炭素社会の実現に向け、燃焼時に二酸化炭素(CO2)が発生しない水素やアンモニアの普及促進へ技術開発を加速することで一致した。
萩生田氏は会合終了後にオンライン形式で記者会見し、「米豪といった価値観を共有する国からのLNG輸入の重要性がますます高まっている」と強調。その上で、「(増産を要請した)日本の立場へ理解が示された」と述べ、両国からのLNG調達拡大に期待感を示した。
クアッドのエネルギー相会合開催は今回が初めて。火力発電の燃料として注目される水素やアンモニアについては、各国が連携してサプライチェーン(供給網)構築や調達コスト削減に取り組む方針も確認した。
このほか、火力発電所から出るCO2を回収・再利用する技術(CCUS)などでも協力を深めることが重要との認識で一致した。
一方、ロシアのウクライナ侵攻を念頭に、エネルギー安全保障の確保が必要との考えも共有したが、「脱ロシア」について具体的には踏み込まなかった。各国で対ロ依存度などエネルギー事情が異なるためで、萩生田氏は「国際社会と連携しながら各国ができることをやっていくことで合意した」と説明した。
時事通信