

大坂なおみは左ハムストリングを痛め、土曜日開催予定だったウエスタン&サザンオープン決勝戦を棄権した。ビクトリア・アザレンカに不戦勝という形でタイトルを譲ることとなった。
「(全米オープンを万全な体調で迎えるための)十分な時間とチャンスを生み出せればとただ願っています」と大坂は語った。彼女が2018年に優勝を飾った全米オープンは月曜日から始まる。
大坂の決勝戦辞退の決定は、決勝が始まるはずだった約90分前に発表された。まさに全米オープンの会場であるルイ・アームストロング・スタジアムで。
ウエスタン・アンド・サザン・オープンは例年オハイオ州で開催されているが、コロナ禍における「管理環境」を作る一環として 両トーナメントともニューヨークで行われることとなった。
大坂は、最初に足に違和感を覚えたのは一試合目だったと述べた。6-2, 7-6 (5) のスコアでエリーゼ ・ メルテンスに勝利した準決勝では、第二セットのタイブレークでハムストリングを気にしていた。
大坂は土曜日に「心が揺さぶられる一週間だった」と話していた。
22歳の大坂は日本で生まれ、現在はアメリカに拠点を置いている。彼女は今大会で準決勝棄権の意志表示をすることで、人種差別是正の後押しをした。ウィスコンシン州の黒人男性ジェイコブ・ブレイクへの警官による銃撃事件に抗議した、NBAやメジャーリーグを始めとするスポーツ選手に加わるかたちとなった。
大坂の姿勢を受けて大会は「一時中断」し、木曜日に予定されていたすべての試合を中止すると発表し、大阪を援護した。
トーナメントは金曜日に再開し、大坂は出場した。
ランキング59位のアザレンカは2016年以来のタイトルを獲得し、キャリア21個目、ハードコートでは20個目のタイトルを獲得した。彼女は全豪オープンで2度の優勝、全米オープンで2度の準優勝を果たしており、世界ランク1位を獲得した経験もある。
「なおみと対戦するのを楽しみにしていたので残念です。彼女のレベルと対峙できたら、素晴らしい機会になったはずなのに」と、2013年のウエスタン&サザンオープンでも優勝したアザレンカは話す。
アザレンカは、今回のタイトルは「特別なもの」だと言う。
31歳のアザレンカは今年初めに引退を考えていた。
「長い間、こんな風に感じたことはなかったわ。正直に言うと、おそらく今までにないわね」と、金曜日の準決勝でジョアンナ・コンタに4-6, 6-4, 6-1で勝利した後に話していた。「まさに今楽しんでいるの」
AP通信