
ドバイ、常勤記者
超低高度衛星技術試験機「つばめ」が、「 最も低い地球観測衛星の軌道高度」としてギネス世界記録に認定されたことを日本の国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が最近発表した。
同宇宙機関は、2017年12月23日から今年10月1日までの任務中に「つばめ」が167.4kmの軌道を達成したと報告した。
記録された低高度での周回は、この衛星が搭載していたイオンエンジンとガスジェット推進機によって可能になった。なお「つばめ」は、「超低高度に存在する大気抵抗と原子状酸素密度にも関わらず」高解像度画像の撮影にも成功した、とJAXAは報じている。
低高度の軌道上にある衛星は、「1,000倍の大気抵抗と高濃度の原子状酸素に晒されて劣化することがある」。だが「つばめ」は、記録破りの低高度での周回を成し遂げた。
JAXAによれば、「同衛星は、用いられた素材が原子状酸素への長期間の露出に耐えられることを証明するのにも成功した。」
超低高度衛星技術試験機のプロジェクトマネージャーを務める佐々木雅範氏は、こう述べている。「超低高度での周回維持が可能なこの前例のない衛星作りを成し遂げたのは、人工衛星の開発および操作にあたり、私たちが秩序立った基礎的技術を保有しているからだけではありません。日本にある、高水準の科学と技術のおかげでもあるのです。」
JAXAは、将来の地球観測やその他目的のために、300km以下の軌道高度利用に向けた調査を実施している。