

ダイアナ・ファラー
YouTubeでは多くのユーザーのフィードに北朝鮮のインフルエンサーが登場し、世界中の人が見ることのできない北朝鮮の日常を紹介している。
北朝鮮政府はソーシャルメディアを通じてプロパガンダを発信することで知られているが、このYouTuberの動画が国家によってスポンサーされているかはまだ不明である。なお、北朝鮮では動画共有プラットフォームは全面的に禁止で、2016年4月から完全にアクセス禁止となっていることを忘れてはならない。北朝鮮政府は、動画共有プラットフォームにアクセスしようとする者は処罰の対象となると警告している。
ユミと名乗るコンテンツクリエイターは、2022年8月からYouTubeで「Olivia Natasha- YuMi Space DPRK daily」というチャンネルで活動している。
同インフルエンサーの登録者数は現在約5100人で、最も視聴された動画は「ユミツアーシリーズ 平壌のトンイル通りフィットネスセンターでトレーニング」のタイトルで約4万回再生され、ごく普通に見えるジムでユミ氏がトレーニングをしている様子を映し出している。
https://www.youtube.com/watch?v=GSszcPVptd8&t=64s&ab_channel=OliviaNatasha-YuMiSpaceDPRKdaily
このほかにも、スーパーで飲み物やお菓子を買ったり、遊園地に行って下味を付けた牛肉炒めであるプルコギをレストランで食べたりする動画がある。
チャンネルは2022年6月21日に開設され、現在10本の動画が公開されている。
ユミ氏の動画は、平壌の平和で普通の生活を解説し、ほかの住民の意見を聞いて回るというものである。
ある動画では平壌の人々に休みの過ごし方を聞き、別の動画では、住民にロナウドとメッシのどちらが好きかまで質問している。
https://www.youtube.com/watch?v=EuyKnxSiUbM&ab_channel=OliviaNatasha-YuMiSpaceDPRKdaily
アナリストによると、ユミ氏が訪れる場所は、北朝鮮の社会的・政治的秩序の最高位にある人々が楽しむことで知られているという。
類似コンテンツを持つもう1人のインフルエンサーはイム・ソンアを名乗り、同じく平壌に住む11歳のユーチューバーである。
彼女は駐英北朝鮮外交官の娘であり、元人民軍元帥のリ・ウルソル氏のひ孫であることが、昨年7月に脱北者テ・ヨンホ氏によって判明した。
イム・ソンア氏は約2万2百人の登録者を持ち、ほとんどが子どもの日常生活に関連した動画を投稿している。チャンネルは昨年1月に開設された。
https://www.youtube.com/watch?v=wzMMJvekHVw&t=42s&ab_channel=SallyParks%5B%EC%86%A1%EC%95%84SongAChannel%5D
現在12本の動画が公開されており、中には隔離期間中の生活について話す動画もある。最も視聴されている動画は、自己紹介と北朝鮮の子どもたちの生活について語ったもので、約38万7千回再生されている。
イム・ソンア氏はコメント欄を閉鎖しているようであるが、ユミ氏には、アメリカやロシアなど他国出身と言いながらも、北朝鮮での生活の素晴らしさや、指導者である金正恩を賞賛するコメントが多く寄せられている。