
東京2020組織委員会は、日曜にオリンピック村をメディアに公開し、大会開幕まであと1ヶ月となった時点で、発熱外来などウイルス対策を強化したことをアピールした。
組織委員会では、7月23日の開会式に向けた準備が大詰めを迎えており、この巨大イベントが選手や日本国民にとって安心安全なものであるという確信を強めようとしている。
日曜には、専用のウイルス外来が公開された。また、グループ飲酒を禁止し、ゲスト用の共有スペースを廃止すると発表した。
オリンピック中は18,000名、パラリンピック中は8,000名の選手やチームメンバーが宿泊できるオリンピック村の各所には、部屋の換気など、ウイルス対策を行うよう注意喚起のポスターが貼られている。
主要医療施設とは別に設置された発熱外来は、ウイルス感染の疑いがある人物や、陽性と診断された患者の濃厚接触者に該当すると思われる人物の検査と隔離に使用される。
「感染が疑われる場合、その人物を適切に隔離する必要があります」と、オリンピック村のジェネラル・マネージャーである北島隆氏は述べた。「これは、新型コロナ感染の可能性に関し、我々がいかに厳しい管理体制をとっているかを示す一例です」と記者団に語っている。
その他の対策としては、食堂の席数を減らしたり、スポーツジムの器具と器具の間にプレキシガラス製のシールドを設置したり、オリンピック村の住民に手指消毒剤とソープのセットを配布したりする。
東京湾を臨む埋め立て地に建設されたオリンピック村は、昨年3月に開催延期が発表されて以来、作業員以外は誰もいない状態が続いている。
2週間後にオープン予定の村は、今大会のアスリートにとっては特に重要な場所となる。というのも、アスリートはトレーニングや競技会場以外に出かけることが禁じられるからだ。
厳格なウイルス対策のもと、選手は毎日検査を受け、競技、食事、睡眠以外はマスク着用が義務付けられる。また、パーティーも禁止だと運営側は警告している。
「お酒は、原則として一人で飲むことを要求します」と北島氏は語る。
競技者は競技直前にしか入村できず、負けた場合や競技が終わった場合は48時間以内に退去しなければならない。
部屋はシングルが9m2、ダブルが12m2と、決して豪華な造りではない。
ベッドはリサイクル可能な段ボール製だが、体格の良い重量挙げ選手や背の高いバスケットボール選手にも耐えられる丈夫な造りだと主催者側は語っている。
オリンピック関係者は、村の滞在者のほとんどが予防接種を受けていることを想定しているが、ルールは予防接種の有無にかかわらず適用され、遵守しない選手は大会から追放される可能性もある。
土曜に日本に到着したウガンダのオリンピック代表団メンバーは、渡航前に予防接種を受け、テスト結果が陰性だったにも関わらず、ウイルスの陽性反応が出たということだ。
海外の観戦者はすでに禁止されている。国内の観戦者についても来週には決定される予定だが、このような安全対策のせいで、今までに類を見ない大会になるだろう。
主催者側は、大会に対する世論の反発と戦っている。全国的な世論調査では、ほとんどの日本人が大会の延期や中止を望んでいることが明らかになった。しかし、最近の調査では、大会が近づくにつれて世論に変化が見られることが分かっている。
オリンピック村は、大会終了後に数千戸の豪華なベイサイドマンションへと生まれ変わる予定となっている。しかし、メディアが村を見学している間も、数名の抗議者が外でオリンピック反対を唱えていた。
約900戸のマンション(中には1億7,000万円の値がついた部屋も)は、東京2020オリンピックが1年延期される前に販売が終了している。
AFP