
東京:白い手袋にダークカラーのスーツとネクタイに身を包んだタクシー運転手のカワグチ・ユウキ氏は、東京周辺で乗客をエレガントに輸送する準備バッチリだ。
しかし、日本の首都東京でタクシーに乗るのは贅沢な経験である一方、運転手たちはコロナウイルス感染の脅威と常に隣り合わせだ。また最近、都内でのオリンピック無観客が禁止され、運転手たちは経済的な影響を再度受けた。
ジーンズとゆったりしたTシャツに身を包んだカワグチ氏(26歳)が、人の賑わう品川の勤務先のタクシー会社にあらわれる。
おしゃれな制服に着替え、呼気検査と体温チェックを受けると、カワグチ氏はコロナウイルスによって延期となった2020年大会のロゴがあしらわれた黒く輝くタクシーに乗り込む。
大会主催者は先週、コロナウイルスの感染が再拡大したことを受け、1都3県でのオリンピックイベントを無観客で実施すると決定した。
カワグチ氏はAFP通信に対して、無観客措置は「当然」であり、「(主催者にとって)中止以外にできる最大限の措置だ」と語った。
日本のコロナウイルスによる死者は1万5,000人近く、国民の約17%が2回のワクチン接種を終えている。
カワグチ氏は、副作用に対する懸念があるものの、早くワクチン接種をしたいと述べた。
「不特定多数のお客様を乗せるため、できるだけ早くワクチン接種を受けたいという思いは否定できません」。
「でも同時に、副作用のニュースも耳にするため、気持ちは複雑です」。
東京では新たな緊急事態宣言が月曜日に発動され、アルコール類の販売や飲食店の営業時間の制限、イベントの上限人数が適用された。
コロナ禍で乗客数が減ったことを受け、カワグチ氏の勤務先である日本交通は貨物輸送サービスで売上の損失を補っている。
8月24日から開催されるパラリンピック大会期間中、カワグチ氏はパラリンピック選手や関係者の輸送で指定のタクシーやシャトルバスを運転する予定だ。
AFP