
エルサレム: イタリアでのケーブルカー事故で生存した6歳の少年をめぐる苦々しい親権争いが20日、イスラエルの家庭裁判所の審理によって一歩前進した。
エイタン・ビラン君の双方の親族がテルアビブで開かれた裁判に出席した。この裁判は、エイタン君の遺族が居住するイタリア・イスラエル両国をまたぐものとなっている。エイタン君の肉親は5月に山腹への落下事故により亡くなった14名のうちに含まれていた。彼の生存により、すぐに彼の母方・父方の親族による国際的な争いが始まることとなった。
双方の親族が20日、テルアビブの家庭裁判所で対面した。訴訟における新たな一歩だ。
出席者の中には、エイタン君の叔母のアヤ・ビランさんも含まれた。彼女はイタリアに住んでおり、エイタン君のイタリアへの返還を求めて同国の裁判所に正式な要求書を提出している。また20日の審理にはエイタン君の祖父であるシュマリック・ペレグ氏も出席した。ペレグ氏は孫をイスラエルへひそかに連れ帰っていた。
イタリアの親族は、エイタン君が彼らに知らされることなく誘拐されたと主張し、エイタン君の返還を求めている。一方イスラエルの親族は地元メディアに対し、エイタン君を誘拐したとの情報を否定し、彼自身の利益のために行動していると主張する。
ペレグ氏は「Channel 12」に対し、エイタン君をイタリアからスイスへ自動車に乗せて連れて行き、そこから2人で飛行機に乗ってイスラエルへ渡ったことを認めたが、「私たちは全く合法な方法でイタリアを出発したのです」とした。
ペレグ氏は誘拐の疑いでイスラエルの警察当局から取り調べを受け、現在進行している捜査が終わるまで、自宅軟禁の処分となった。
イタリアの捜査当局も捜査を開始した。ペレグ氏はイスラエルのChannel 12に対し、イタリアの司法における親権争いは既に諦めているとし、エイタン君が成長したときに理解してくれることを願っていると語った。
「いつの日かエイタンが大きくなって、『おじいちゃんは僕のために、あらゆることをやってくれたんだ。僕を救ってくれたんだよ』と言ってくれると信じていますよ」と語り、涙した。「そして私の娘は、いずれ私と天国で会うことになるでしょうが、エイタンを救った私を誇りに思ってくれるでしょう」
AP