
岸田文雄首相は29日午前、アフリカ4カ国とシンガポールを歴訪するため、政府専用機で羽田空港を出発した。5月に広島市で開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向け、ウクライナ危機への対応、アフリカへの影響力を強める中国の動向を巡り各国首脳と協議する。日本との2国間関係強化も図る。5月5日に帰国する。
出発に先立ち、首相は羽田空港で記者団に「国際秩序が揺らぐ中、アフリカ主要国首脳と連携を確認し、結果をサミットにつなげたい」と強調した。
エジプト、ガーナ、ケニア、モザンビークを回る。首相がアフリカを訪れるのは2021年10月の就任後初めて。
首相が議長を務めるG7広島サミットは、ロシアのウクライナ侵攻や中国の覇権主義的な動きを踏まえ「法の支配」や「国際秩序の維持・強化」が重要なテーマとなる。ただ、アフリカ諸国にはG7と中ロの双方に一定の距離を置く国も多い。
首相は今回の外遊を通じ、アフリカ側をG7側に引き寄せたい考えだ。ガーナとモザンビークは現在、日本と共に国連安全保障理事会の非常任理事国を務めている。
首相は液化天然ガス(LNG)確保など資源外交にも取り組む。正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘が続くスーダン情勢など地域課題も話し合う
時事通信