
ソウル時事:日韓両政府当局は12日、東京電力福島第1原発の処理水に関する韓国の視察団派遣を巡りソウルで協議を行い、4日間の日程で訪日することで合意した。両政府が13日、発表した。ただ、視察の詳細な内容は今後の協議に持ち越しとなった。
日本側は外務省の海部篤軍縮不拡散・科学部長ら、韓国側は外務省の尹鉉洙気候環境科学外交局長らがそれぞれ出席した。韓国メディアによると、協議は12日午後2時(日本時間同)すぎに始まり、13日午前2時ごろまで続いた。
韓国外務省は「視察団の速やかな訪日を実現するため、積極的かつ真摯(しんし)に協議に臨んだ」と説明。ただ、日本側は協議ではなく「説明会」と述べており、両者の立場に隔たりがある。
7日に行われた日韓首脳会談で、岸田文雄首相と尹錫悦大統領が視察団の派遣で合意した。日本政府は、23日にも韓国の専門家らが訪日する見通しだと説明していた。
韓国では、処理水放出を懸念する声が根強い。韓国当局は12日午前に記者会見を開き、視察の目的を「海洋放出の過程全般にわたり、安全性を検討するためだ」と説明した。独自に現場を確認することで、世論の不安の払拭(ふっしょく)を図りたい考えとみられる。
時事通信