
【ドバイ】過去3週間、イランのマーハーン航空は中国の4都市への飛行便の運航を継続、これが同国の新型コロナウイルス感染者急増の一因となった可能性がある。イラン革命防衛隊所有の同航空は運航休止としていたが、主張が覆された形。
イラン国営テレビの報道によると、同国の新型コロナによる死者数は18日、同日中の147人をふくめ1,135人に達した。感染者数も17,361人にまでふくれあがっている。
ラジオ・ファルダーはフライトトラッカーサイトのFlightradar24などのネット上の情報を収集、マーハーン航空は中国便運航を中止していないと報じた。最新のフライトでも、上海発のW576便が2月25日午前6時31分(現地時間)にテヘランのエマーム・ホメイニ空港に着陸する運航スケジュールだったとしている。
「こちらの調べでは、マーハーン航空は2月4日から2月22日までの間、エマーム・ホメイニ空港発で少なくとも55回は北京・上海・広州・深圳とイランの間を行き来している」とラジオ・ファルダーはする。
2月23日のInstagramへの投稿では、マーハーン航空は最終の中国便は2月3日と4日だとしている。またイランの航空当局も、少数の貨物便のほか学生やその他のイラン人を避難させる特別便を除き、中国便全便は停止しているとしている。それらの便はすべて保健当局の監視下に置かれたともする。
運航が禁止されているにもかかわらずマーハーン航空が中国便を飛ばしていたとの報を受け、政治家・国民の間で批判の声が上がっている。
17日、イランの国会議員の一人は、イランと中国との航空便は公式に「中止」となっているにもかかわらず停止されていないと表明した。
イラン革命防衛隊が一部所有するマーハーン航空は、2011年、米財務省が「中東のテロへの支援を促している」として制裁指定している。
スティーヴン・T・ムニューシン米財務長官は、「マーハーン航空のシリア定期便はアサド政権を下支えし、武器・外国人兵士・イランの工作員らを送り込む目的に供されている。このため中東は暴力と不安定が誘発されている」としている。