
ガザ市、パレスチナ自治区:ガザ当局は日曜に新型コロナウイルスの最初の2例を確認し、2人がパキスタンに旅行し帰国時に隔離されたパレスチナ人であると特定した。
国連は2007年以来イスラエルの封鎖下にあるガザの高い貧困率と脆弱な医療システムを考えると、この沿岸地域でCOVID-19のアウトブレイクが起これば悲惨な結果となる可能性があると警告している。
しかしガザの保健省は陽性反応を示した2人は木曜にパキスタンから帰国して以来隔離されており、より広範な人口とは接触していないと述べた。
「この2症例はガザに戻った人々の中から記録された…(そして)ガザ地区の住民とは混ざっていない」とユセフ・アブ・アル=リーシュ副保健相は記者団に語った。
2人の男性と特定された患者の状態は安定していると保健省は述べた。
イスラエルはイスラム組織ハマスが領土を支配した2007年以来、ガザへの封鎖を実施している。
イスラエルはこれが西側諸国のほとんどがテロ組織とみなすハマスを隔離させるために必要な措置だと主張している。イスラエルとハマスは2008年以来、三度の戦争を繰り広げてきた。
パンデミック前もイスラエルとエジプトによって厳しく制限されていたパレスチナへの出入りは、コロナウイルスに対応してさらに引き締まめられている。
ガザ当局は2,700人以上のパレスチナ人が自宅隔離に入っており、そのほとんどはエジプトから帰国した人々だと述べた。
世界保健機関のパレスチナ事務所長ジェラルド・ロッケンショーブは今週AFPに対し、ガザの医療施設は過去10年間のイスラエルによる制限および政治的緊張により劣化していると語った。
ガザには人口200万人に対して集中治療室(ICU)に60床のベッド数しかなく、スタッフ不足のためそのすべてが稼働しているわけではない、と事務所長は述べた。
イスラエルはパンデミックに対応して、今週輸送された数百のCOVID-19検査キットを含め、ガザへの医療機器の供給増加を発表した。
ハマスの当局はまた、ラファのエジプトとの境界近くに最大1,000室の新しい隔離室を建設すべく取り組んでいる。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のガザの局長マティアス・シュマレは今週AFPに対し、「このような閉鎖空間で(エピデミックを)管理できるなどと思うのは幻想に過ぎない」と語った。
「私が聞いているすべては、もしアウトブレイクが治療にICUベッド60床以上を必要とする規模に達した場合、それはますます困難になり巨大災害へと変わる可能性があるということだ」と彼は述べた。
がんやその他の深刻な病気に苦しむパレスチナ人は現在ユダヤ人国家内または占領下の西岸地区で治療を受けるためにイスラエル経由でガザを離れることが許可されている。
パンデミックへの対応として自国民に厳しい制限を課しているイスラエルが、重症コロナウイルス患者をガザ地区から移送することを許可するかどうかはまだ明らかでない。
AFP