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ガザの書店の再建のために、たくさんの寄付が集まる

ガザ市でパレスチナ人男性が、サミール・マンスール書店が入っていたクハイル・ビルのがれきの中から見つけた本にざっと目を通している。(AFP)
ガザ市でパレスチナ人男性が、サミール・マンスール書店が入っていたクハイル・ビルのがれきの中から見つけた本にざっと目を通している。(AFP)
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22 Jun 2021 05:06:34 GMT9
22 Jun 2021 05:06:34 GMT9
  • 世界的なキャンペーンを通じて21万ドル以上の寄付金が集まり、数万冊の本が寄付された
  • サミール・マンスールさんの店は、5月にイスラエルによる複数回の空爆で破壊された

アラブニュース

ロンドン:ガザ最大級で歴史ある書店の再建を助けるために、現金や本の寄付がたくさん集まっている。2階建ての建物は、イスラエルによる空爆で跡形もなく破壊された。

5月にイスラエルとパレスチナ武装組織の間で11日間にわたる戦闘が行われ、約150人のパレスチナ人の命が奪われた。その期間中の5月18日、サミール・マンスール書店は複数回の空爆を受けた。

パレスチナ人の経営者が20年以上前に始めたその店は、地域でとても愛されていた。

店内には、小説から哲学まで、あらゆるジャンルの本が数万冊置かれていた。

現在、ガザの大切な店を再建するための世界的な運動が起きている。英国を拠点とするオンライン児童書販売会社Books2Doorは1000冊の本を寄付した。

Books2Doorの創業者であるアブドゥル・タダ氏は、「何のためらいもなく、私たちにできることをしようと思いました。サミールさんがさまざまなジャンルの本を幅広く取りそろえていることを、募金をつのる人たちから教えてもらいました。彼に喜んでもらえたらいいのですが」と話した。

人権派弁護士のマヴィッシュ・ルクサナ氏とクライヴ・スタフォード・スミス氏が始めた募金活動では、21万ドル以上の寄付金が集まり、世界中から数万冊の本がマンスール書店を再建する取り組みに寄付された。

「サミール・マンスールさんの書店に爆弾が落とされたことは、ガザの人々を襲った悲劇の中では最悪のものではありません。ですが今回の空爆は、本へのアクセスを標的にしたものでした」とルクサナ氏は話した。

「このコミュニティの知識やリテラシーに対する攻撃でした。サミールさんは約10万冊の本を失いました。学校に通っている子供から大人まで、分け隔てなくサービスを提供していました」と同氏は付け加えた。

「病院と道路が資金援助を受けることは知っていました。図書館のような、重要性で劣る文化施設は見落とされがちです、しかしこのコミュニティにとっては同じくらい重要です」

彼らがやりたいのは、マンスール書店を再建すること、失われた10万冊の本を全て元に戻すこと、そして新プロジェクト「ガザ文化センター」を始めることだ。同センターは、読者がお金を払わずに本を借りられる、近所の新しい図書館になるだろう。

ルクサナ氏は次のように述べた。「(マンスール氏の店では)人々は購入する義務もなく無料で、好きなだけ店にいて、お茶を飲み、店の本を読むことが許されていました……彼は、真の図書館を作るために、全ての丁寧に扱われてきた本といくつかの新品の本を使うことを決めました」

マンスールさんはガーディアン紙に、自分の書店がミサイルで攻撃されたことに気づいたとき、「心が焼かれるようだった」と語った。

「イスラエルの空爆は建物の半分を爆破しました。私の書店は残りの半分にありました。もうやめてくれ、と思いました……書店に向かって数歩、足が動きました。最後のミサイルが来て、建物が破壊されました」

「朝の6時でした。どうしていいか分かりませんでした。私はがれきの中から私の図書館と関係があるものを探し始めました。ですが、全てががれきの下に埋まっていました」と彼は付け加えた。

「私は座って、なぜ自分の店が爆撃されたのか考えました。私は今までの人生で、出版も執筆も、国や人への攻撃もしませんでした。私が広めたのは憎しみではなく文化と科学、そして愛でした。自分の問いに対する答えは見つかりませんでした」。しかし彼はこう誓った。「何を奪われたとしても、一からやり直します」

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