Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • ガザの病院用発電機の燃料が限界へ 保育器内の未熟児に命の危険が迫る

ガザの病院用発電機の燃料が限界へ 保育器内の未熟児に命の危険が迫る

2023年10月22日、ガザ地区のデイルバラハにあるアル・アクサ病院で、早産児に対応するパレスチナ人医師たち。(AP/写真:Adel Hana)
2023年10月22日、ガザ地区のデイルバラハにあるアル・アクサ病院で、早産児に対応するパレスチナ人医師たち。(AP/写真:Adel Hana)
2023年10月22日、ガザ地区のデイルバラハのアル・アクサ病院で、早産児に対応する医師。(AP/写真:Adel Hana)
2023年10月22日、ガザ地区のデイルバラハのアル・アクサ病院で、早産児に対応する医師。(AP/写真:Adel Hana)
2023年10月22日、ガザ地区のデイルバラハのアル・アクサ病院で、早産児に対応する医師。(AP/写真:Adel Hana)
2023年10月22日、ガザ地区のデイルバラハのアル・アクサ病院で、早産児に対応する医師。(AP/写真:Adel Hana)
Short Url:
23 Oct 2023 12:10:54 GMT9
23 Oct 2023 12:10:54 GMT9
  • WHOの報道官によると、ガザの5つの主要病院で基本的な医療を提供するためには、15万リットルの燃料が必要だという。
  • 22日、7台の燃料トラックがガザ側の国連補給基地から燃料を運びだしたが、そのうちのどれかが病院に供給されるのかは不明だ。

ガザ地区、デイルバラハ: ガザ地区中部にあるアル・アクサ病院の新生児病棟で、未熟児がガラスの保育器の中でもがいている。小さな体に点滴ラインがつながれた彼は大きな声で泣いている。ベンチレーターが呼吸を助け、カテーテルが薬を送り、モニターは彼の脆弱なバイタルサインを点滅させている。

彼の命は安定して供給される電気にかかっているが、病院が発電機用の燃料を調達できなければ、電気は間もなく切れてしまう危険性がある。イヤド・アブ・ザハル病院長は、発電機が止まれば自力で呼吸できない病棟の赤ちゃんたちが死んでしまうのではないかと危惧している。

「私たちに課せられた責任は重大だ」と彼は言う。

ガザ全域で未熟児を治療している医師たちも、同様の恐怖に直面している。少なくとも130人の未熟児が、6つの新生児病棟で「重大な危険」にさらされている、と援助関係者は述べた。この危険な燃料不足は、10月7日にハマスの過激派がイスラエルの町を襲撃した後、空爆とともに始まったイスラエルによるガザ封鎖によって引き起こされている。

世界保健機関(WHO)によると、ガザでは少なくとも5万人の妊婦が必要な医療サービスを受けることができていない。そのうち約5500人が来月出産を控えている。

イスラエルの絶え間ない攻撃による被害と、電力や水などの供給不足のため、30近い病院のうち少なくとも7つが閉鎖を余儀なくされている。残りの病院の医師たちは、窮地に立たされていると語った。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は22日、重要なニーズに応えるために3日分の燃料を確保したと発表した。

「世界は、ガザ包囲網によって赤ちゃんたちが殺されていくのをただ見ているわけにはいかない。行動しないことは、これらの赤ちゃんに死を宣告することだ」と、医療支援団体「Medical Aid for Palestinians」の最高責任者であるメラニー・ウォード氏は語った。

21日、包囲が敷かれて以来初めてガザに入った20台の援助トラックには、イスラエルがハマスの手に渡ることを恐れて、燃料は積まれていなかった。ガザ内の限られた燃料は、病院の発電機に送られた。

7台の燃料トラックがガザ側の国連補給基地から燃料を運びだしたが、そのうちのどれかが病院に供給されるのかは不明だ。

しかし、さらに多くの燃料の搬入が許可されなければ、いずれは枯渇するだろう。

WHOのタリク・ジャシャレビッチ報道官は、ガザの5つの主要病院で基本的なサービスを提供するためには、15万リットルの燃料が必要だと述べた。

アブ・ザハル病院長は、自分の施設がいつまで持ちこたえられるかを心配している。

「病院内のさまざまな部門の需要が高いため、数時間以内に発電機が停止する可能性がある。もしそうなれば、集中治療室の保育器は非常に危機的な状況になるだろう」と彼は述べた。

国境なき医師団のパレスチナ地域医療コーディネーターであるギルメット・トーマス氏は、緊急に必要とされる特別な処置と投薬を受けなければ、数時間以内に死亡する赤ちゃんもいれば、数日以内に死亡する赤ちゃんもいると述べた。

「赤ちゃんたちが危険にさらされているのは確かだ」と彼女はAPに語った。「この2週間、爆撃に苦しんでいるガザの住民をケアすることが緊急に必要であるように、この赤ちゃんたちをケアすることも本当に、緊急に必要なのだ」

複数の病院が閉鎖されたため、病院はガザ北部と中部の患者を担当しなければならず、患者の収容人数を2倍以上に増やさざるを得なくなったという。これらはまた、限られた電力にも負担をかけている。

最近ガザ北部からヌセイラットに避難してきたニスマ・アル・アユビさんは、生まれたばかりの娘が酸素欠乏と激痛に苦しんだため、病院に連れてきたという。

 

女の子は3日前に生まれたが、すぐに合併症を発症した。「病院は物資が不足している」と彼女はアル・アクサ病院から語った。「状況が悪化すれば、子供たちを治療する薬もなくなってしまうのではないかと心配だ」

イスラエルが水の供給を断って以来、多くの人々が使うことを余儀なくされている汚れた水が問題を悪化させている。アブ・ザハル病院長によれば、母親たちは汚染された水に粉ミルクを混ぜて乳児に与えているという。それが病棟での重症患者の増加につながっている。

ジャバリア北部の民間施設であるアル・アワダ病院では、ほぼ毎日50人の赤ちゃんが誕生していると、アフメド・ムハンナ病院長は語った。同病院はイスラエル軍から避難勧告を受けたが、業務を継続している。

「状況はあらゆる意味で悲劇的だ」と彼は語る。「緊急用の医薬品や麻酔薬、その他の医療用品が大幅に不足している」

ムハンナ病院長によると、減っていく物資を活用するため、予定されていた手術はすべて中止され、病院は救急と出産にすべてのリソースを割いている。複雑な症例を持つ新生児はアル・アクサ病院に送られる。

アル・アワダ病院にはせいぜい4日分の燃料しかない、とムハンナ病院長は述べた。「我々は多くの国際機関やWHOに病院に燃料を供給するよう訴えたが、今のところ何の進展もない」

国境なき医師団のトーマス氏は、何万人もの民間人が避難している国連運営の学校では、すでに女性が出産していると述べた。

「女性たちは危険にさらされ、赤ちゃんも危険にさらされている」と彼女は言う。「本当に危機的な状況だ」

AP

特に人気
オススメ

return to top