
イシム:シリア政府軍の砲撃により、同国の反政府勢力の最後の拠点イドリブで、子ども2人を含む少なくとも5人の民間人が死亡したと、英国に拠点を置く戦争監視団が18日、発表した。
砲撃は17日深夜、イドリブ地域の南部にあるイシム村で発生したと、シリア人権監視団が発表した。
家族の1人はAFP通信に対し、親戚の男性の結婚を祝うために訪問客が集まっていた時に砲撃が家を襲ったと述べた。
同じ日にはこれに先立ち、親政府部隊が発射したロケット弾によってサルジャ村で子ども3人と救助隊員1人を含む6人が死亡しており、17日にイドリブでは少なくとも11人が死亡したことになる。
イシム村への砲撃は、バッシャール・アル・アサド大統領が4期目の就任宣誓を行い、政府の支配がまだ及んでいない地域を「解放」すると誓った数時間後に発生した。
死者を伴う今回の事態は、ジハード主義者が支配する拠点への政府軍の攻撃を食い止めるために2020年3月にトルコとロシアが合意した停戦協定の最新の違反事例だ。
イシムにいるAFP通信のカメラマンは、救助隊員が投光照明の下で、倒壊した天井を切り開いて、女性の遺体を回収する様子を目撃した。
救助隊員らは女性の遺体を毛布で包み、はしごで優しく降ろして救急車に運び込んだ。
トルコと国境を接する北西部地域イドリブには約300万人が住むが、その半数以上は、戦争で疲弊したシリアの他の地域での戦闘により住む場所を追われた人々だ。多くは人道支援に頼って生活している。
この地域は、旧アルカイダ系のハイアト・タハリール・アル・シャームが支配しているが、他の反政府組織も存在する。
シリアの戦争では、2011年に反政府デモの残虐な弾圧がきっかけで始まって以来、約50万人が死亡し、さらに数百万人が家を追われることになった。
AFP通信