
パリ:米兵や対外援助活動家を攻撃、殺害したかどで指名手配を受けていた大サハラのイスラム国トップが、フランス軍の軍事作戦で殺害された。
アドナン・アブ・ワリド・アル・サフラウィ容疑者は「フランス軍によって無力化された」と、9月16日未明にエマニュエル・マクロン大統領がツイートした。
マクロン大統領は、「これはサヘル地域のテロ集団との戦いにおけるもう一つの大きな勝利だ」と述べた。作戦の詳細はや場所については明かさなかった。
フロランス・パルリ軍事大臣は、サフラウィ容疑者はサヘル地域の武装勢力と戦う仏バルハン軍による攻撃を受けて死亡した、と述べた。
「このテロ集団への決定的な一撃だ」「我々の戦いは続く」とツイートしている。
武装勢力指導者であるサフラウィ容疑者は、2020年にフランス人援助活動家が殺害された事件の黒幕であり、2017年のニジェールでの死者の出た米軍への攻撃に関して米国から指名手配されてもいた。
サフラウィ容疑者が2015年に創設した大サハラのイスラム国(ISGS)は、マリ、ニジェール、ブルキナファソでの武力攻撃の大半に責任があるとされる。
危険地域である「三国国境」地帯は、ISGSとアルカイダ支部であるイスラムとイスラム教徒の支援グループ(GSIM)によく狙われる。
ISGSはこの地域の民間人や兵士に攻撃を仕掛け、殺害してきた。
米国はサフラウィ容疑者の居場所に関する情報に500万ドルの報奨金を出していた。同容疑者は、米特殊部隊兵4人とニジェール軍兵士4人が死亡した2017年10月4日のニジェールでの攻撃に関して指名手配を受けていた。
2020年8月9日にニジェールで、ISGSトップ本人がフランス人援助活動家6人とそのニジェール人ガイドや運転手の殺害を命じた。
2019年後半には、この集団はマリとニジェールの軍事基地に対する一連の大規模攻撃を実行した。
西サハラの独立運動であるポリサリオ戦線のメンバーであったサフラウィ容疑者は、イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)に参加し、マリのイスラム原理主義グループであるMUJAOの共同指導者にも就任した。MUJAOは、2012年にアルジェリアで発生したスペイン人援助活動家の誘拐やマリで発生したアルジェリア外交官グループの誘拐に関与した。
2013年にマリでの軍事介入が開始されて以来、フランス軍は、武装勢力指導者を標的にするという戦略に基づき、ISGS幹部数人を殺害している。
今年6月、マクロン大統領は、サヘル地域で武装勢力と戦う仏バルハン軍の大幅な規模縮小を発表した。これは広大な地域での軍事プレゼンスが8年以上に及んだことを受けて、対テロ作戦の焦点を変更し、現地軍を支援するものだ。
サフラウィ容疑者殺害後の別のツイートで、マクロン大統領は、「今宵、国民はセルヴァル作戦とバルハン作戦においてサヘル地域でフランスのために亡くなった英雄たち全員のこと、その遺族のこと、負傷者全員のことを思いめぐらしている」と付け加えた。
「この人たちの犠牲は無駄ではない。アフリカ、欧州、アメリカのパートナーと共に、これからもこの戦いを続けていく」
マリ北部は2012年に武装勢力に支配され、これは2013年にフランスが軍事介入して、武装勢力を都市部から追い出すまで続いた。
とはいえ、貧困にあえぐ内陸国のマリは20以上の民族を抱え、武装勢力の攻撃や共同体間の暴力とひっきりなしに戦っている。その闘争が近隣諸国に波及することも多い。
AFP