
ナジャ・フーサリ
ベイルート:ベイルート弁護士会はすべての高官に対し、司法に干渉することを控え、法と司法機関の仕事に敬意を払うよう強く求めた。
同会長のナダー・カスパー氏は、「弁護士たちは判事たちと法務協議会に連帯して立ち上がります」と話した。
彼の声明は、ヒズボラとレバノンの司法当局との対立が危機的状況になるなかで出された。ヒズボラは、ベイルート港爆発事故の捜査を指揮しているタレク・ビタール判事を、「調査を政治問題化している」と非難してきた。
ここ数日、ベイルートの司法宮は、幾人かの判事の辞任についてのニュースで騒がしい。政治的介入と経済状況によって引き起こされた司法が直面する劣悪な状況に抗議しての辞任である。
元検察官のハテム・マディ判事はアラブニュースに、「今起きていることは、司法機関内における反感の状態を増大させています。こういった圧力は司法の仕事の方針に影響すべきではありません。しかし、差し迫った金融・経済危機を考慮すると、あとどのくらい司法は立場を堅持できるでしょうか」と話した。
「圧力はいつも司法に働いてきました。司法が降伏してしまっていたら、判事たちはずっと前に辞任していたでしょう。彼らはビタール氏をどうしても解任したいのです。彼らは政府を麻痺させましたが、司法に対してもそうしたいのです。しかし、後者は今までのところ断固たる立場を貫いています」
大審院第5部長ジャネット・ハナ判事、公選弁護人カーラ・カシス判事、控訴院長ローラ・アル・フセイニ判事は、辞表を提出した。
しかしながら、最高司法評議会首席のスハイル・アッブード判事はこれらの辞表を受理せず、「思いとどまる」よう頼んだ。
独立レバノン司法連合は、司法機関は差し迫った危険に直面していると警告した。
同連合は「これらの辞任は、金融・経済の崩壊がもっとも重要な公的機関の1つの内部に何を引き起こすかということに対する警告、そしてベイルート港爆発事故の調査において明らかなように、果敢にも免責に疑問を呈したすべての判事たちに反対する現在の組織的なキャンペーンに対する警告の役割を果たします」と述べた。
またさらに、これらの辞任は「判事たちがその司法の職務を適切に果たすことを妨げ、彼らを世論の前で決まりの悪い状態にしている経済的及び倫理上の要因について、多くの判事たちが抱く無力感と憤慨を表しています」と述べた。
26日(金)、ビタール判事を解任すべきだという要求に加え、ヒズボラのハッサン・ナスラッラー書記長は、司法機関全体を追及した。司法機関が被告側によるビタール判事を解任する試みを退けたからである。
「ヒズボラはビタール判事の自由裁量に立ち向かうよう司法に訴えましたが、裁定は司法全体が政治化されていることを示しています」とナスラッラー氏は述べた。「このことは、ビタール判事の罷免を求める要求をすべて司法が拒否した過去数日間、明らかでした」
彼は再度、在レバノン大使館を代表とする米国がビタール判事を支持していると主張した。
「調査は、ヒズボラが爆発事故に関与したと非難しようとしています。現在の司法プロセスは、自由裁量の道にあり、これはどのような正義にも真実にもいたりません」
ヒズボラの支持者たちがデモを行いアイン・アル・ルマーネの住民たちと衝突したときに起きたタヨーネ事件について話し、ナスラッラー氏は、ヒズボラは個人的な復讐を求めてはいないが、この事件に関与した多くの人々は司法当局に引き渡されておらず今もマーラブ(レバノン軍団党首のサミール・ジャアジャア氏に言及)にいると話した。
「この件がいかに無分別であるかということは、被害者の家族たちが問題を自らの手で解決しようとする誘因です」とナスラッラー氏は述べた。
ヒズボラは閣議を中断させ、レバノンとサウジアラビア及び他の湾岸諸国との関係を改善するためにジョージ・クルダヒ情報大臣が辞任することを阻んでいる。