
ベツレヘム: 楽団が金曜日、太鼓を叩きバグパイプを吹きながら普段よりも少ない聴衆が歓喜に沸く中、ベツレヘムの街中を行進した。クリスマスイブに世界中の祭典で見られた陽気さと自制とが紙一重となった気分もコロナウィルスにより再び水をさされた。
イスラエルが課した渡航禁止により昨年に続き外国からの観光客の足が遠ざけられた。イスラエルはイエス・キリストの生誕地があるとされる占領地ウェストバンクに向かう外国人観光客にとって主要入国地点である。
ほぼ全ての非イスラエル人旅行者を対象とする禁止措置の狙いは感染力の高いオミクロン株の蔓延を遅らせることである。
それに代えて政府当局は聖地に住む小規模キリスト教コミュニティが元気づくことに期待している。
これは世界各地で見られたテーマでもある。ほぼ2年となるロックダウンと安全制限措置に疲弊した人々が、感染者数が急増により、安全に注意しつつ祝いながら昨年は延期を余儀なくされた日常に戻るための方策を探し求めた。
「自分たちが健康なのにウイルスに我々の生活を奪わせるわけにはいかない」と海沿いの町カスカイスでクリスマス直前の買い物に忙しいポルトガルの元政府職員ロザリア・ロペスさんは言う。
自分も家族もパンデミックには疲れ果てたため、ワクチンや追加接種、迅速な家庭での検査と公共の場でのマスク着用などの安全策をとりながらお祝いを行う決心をしたと彼女は語る。タラのオーブン焼きというポルトガル伝統料理のクリスマスイブディナーを計画している。
そんな意気込みはベツレヘムでも見られる。アントン・サルマン市長は、今年は去年のクリスマスよりもずっと良いものになると前向きにとらえていると述べた。去年はロックダウンのため地元住民もステイホームを強いられた、楽団は誰もいない通りを行進していたと。
今年は大勢の人々が町の中心であるマンガースクエアに集い、バグパイプと太鼓を演奏する楽団の列が練り歩いた。その後、車で町中をパレードするエルサレム総大司教ピエールバッティスタ・ピッツァバッラ氏が幸運を祈る人々に手を振った「今年はたくさんの人たちで賑わっている。とても楽しい」と語った。
AP