
アラブニュース
ロンドン:シリア人難民の大規模なグループがトルコに集まり、隊列を形成してギリシャ経由でEUへの入国を目論んでいると、水曜日にガーディアン紙は報じた。
キャラバンの主催者によると、トルコに住む350万人超のシリア人のうち、約10万人がこの「光のキャラバン」と呼ばれる運動に参加することが予想される。
メッセージングアプリ「テレグラム」を使って、グループを形成する計画が数週間前から具体化している。参加者には、テント、寝袋、缶詰など、旅の必需品の持参を推奨している。
主催者は、キャラバンの出発地点がトルコ北東部のエディルネになると発表した。そこから難民たちは、国境を越えてギリシャに入るのに十分な勢いをつけることができればと考えている。
このキャラバン運動形成の背後にある主な要因は、トルコにおける彼ら難民の扱いに対する怒りの高まりだ。主催者は、シリア人難民への致命的な攻撃を招いた「忌まわしい人種差別」を批判した。
シリア人で18歳のファリス・モハメッド・アル・アリさんは、今月トルコで人種差別主義者による攻撃とされる事件で殺害され、70 歳のレイラ・モハメッドさんは 5 月に世界中の怒りを買った暴行の犠牲者となった。
「シリア人難民は、血なまぐさい争い、拷問、強制失踪、その他忌まわしい虐待から逃れて、トルコで安全を求めています。彼らが今なお攻撃に直面しているのは恐ろしいことです」と、人権団体シリア・キャンペーンのサラ・ハシャシュ氏は述べた。
2018年からトルコに住んでいる 22 歳のシリア人カイルさんは、「私やここにいるシリア人全員に未来はありません」とガーディアン紙に語った。そして、「突然の殺害や残酷な国外追放」を恐れており、「明日を恐れることは真綿で首を締められるようなもので、そういった恐れのない生活がしたい」と付け加えた。
しかし、テレグラムを介して集まった10万人強のメンバーの間では、難民がギリシャに渡ろうとして捕まった場合、シリアへの強制送還が罰として与えられるかもしれないという懸念がある。
トルコの著名なシリア人難民問題活動家であるタハ・エルガジ氏は、国内に住むシリア人の人種差別と経済的苦境に対する懸念は理解すると述べる一方で、キャラバンはその目標を達成できない可能性が高いと警告した。
ギリシャとの国境に沿ったトルコ当局による取り締まりと、最近のEUによる警備強化策は、「難民がこのキャラバン中に荒々しい扱いを受けることを意味し、キャラバンのアプローチは明確ではなく、難民たちを危険にさらす可能性がある」とエルガジ氏は語った。
キャラバンのリーダーたちは、シリア人難民を「あらゆる形態の身体的、心理的、政治的虐待」から守るために行動を起こすよう国連に要請し、EUには「この隊列に門戸を開くか、即時の解決策を見つける」よう求めた。
国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) のナルシマ・ユウコ報道官は、「このキャラバンへの参加を決めた人々の安全と健康を心配しています。これは、世界中で組織された似たような運動における過去の経験から、おそらくリスクがあり危険を伴います」とガーディアン紙に語った。