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国連安保理、イラン政権の存続を助長する取引は控えるよう要請

(国連写真)
(国連写真)
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03 Nov 2022 06:11:45 GMT9
03 Nov 2022 06:11:45 GMT9
ノーベル平和賞受賞者のシリン・エバディ氏も、すべての国に対し、テヘランから大使を引き揚げ、外交的プレゼンスを縮小するよう要請した
  • 人権監視機関は、継続的な平和的抗議活動に対する政権の弾圧で300人以上が死亡、14,000人が逮捕という数字を控えめな見積もりであるとしている

エファレム・コッセイフィ

ニューヨーク: 11月2日水曜日の国連安全保障理事会の公聴会で、イランの人々が西側諸国政府、特に米国に対し、イラン政権の存続につながるような一切の取引を控えるよう求めていることが明らかになった。

イラン政府は国際協定から得た資金を国民の福祉向上のためではなく、より多くの武器を購入し、国内およびさらに広範な地域でより多くの破壊をもたらすために使用するだろう、と理事会メンバーは警告を受けた。

ノーベル平和賞受賞者のイラン人弁護士シリン・エバディ氏も、「自由主義世界の各国政府」に対して、イランから大使を引き揚げ、外交官のレベルを臨時代理大使に引き下げるよう要請した。

また同氏は、イラン政権の直近の犯罪や権利侵害を調査するため、国連がミャンマーで設置したものと同様の調査委員会を任命するよう要請した。

彼女は、アルバニアと米国が招集した安全保障理事会で演説し、その目的は、イランで進行中の女性、少女、宗教的・民族的少数派の人々への抑圧、そしてイラン政権による「デモ参加者に対する不法な武力行使、(イランの)海外での人権擁護者の追跡、人権擁護者への誘拐や暗殺の試み」の強調、および「イラン政府の人権侵害や虐待に対する信頼できる、国際的で独立した調査」を促す方法の特定であると述べた。

イランを席巻している相次ぐ反政府デモは、頭部を覆うものに関する厳しい規則に従わなかったとして3日前に逮捕されたクルディスタン州サッケズ出身の22歳の女性、マフサ・アミニ氏が、9月16日に警察による拘留中に死亡したことが発端となっている。

今回のデモが始まって以来、政権による反対派に対する残忍な弾圧の中で、少なくとも300人のデモ参加者が死亡し、14,000人以上が逮捕されている。人権監視機関は、この数字を控えめな見積もりであると述べている。

弁護士やジャーナリストは、デモを支援したり報道したりした罪で拘束されたと伝えられている。逮捕された何百人もの人々が、死刑になる可能性のある犯罪で起訴されている。一方、政府は国内の大部分の地域でインターネットを遮断している。

国連の独立専門家は、イラン政府の行為を「法律、政策、社会構造に組み込まれた、長年にわたる広範なジェンダーに基づく差別の連続」の一部であるとして非難し、「イランにおける説明責任を確保し、重大な人権侵害に対する根強い不処罰を終わらせるための国際調査機構の設立」への支持を示した。

エバディ氏は2日水曜日の会合で、国内の状況を変え、改革を迫るイラン国民の取り組みは常に「厳しい障壁にぶつかっているが、今や(イラン人は)民主的で宗教色のない政府以外には落ち着かないでしょう」と語った。

テヘラン出身の英国人女優で活動家のナザニン・ボニアディ氏は、14年間人権運動家と共に仕事をしてきたが、「現在のイランほど、イスラム共和国の体制に広く、献身的に反対する人々を見たことはありません」と理事会メンバーに述べた。

同氏は次のように述べた。「イランはほぼ10年に一度の大規模な抗議デモに慣れていますが、1999年の学生抗議デモも2009年のグリーン運動も、さらに直近の2019年11月の抗議デモでさえも、1979年の神権政治の発足以来初めてとなる現在の抗議デモとは熱気や規模が比較になりません。人々は、2017年から始めた83歳の最高指導者アリー・ハメネイ師に公然と反対しているだけでなく、治安部隊から身を守るために積極的に反撃し、広告看板を壊し、イスラム共和国の創始者ホメイニ師の写真を燃やしているのです」

「イランの人々および世界は、これまで一度も自由で公正であったことのない大統領選挙が、自分たちにとって変化をもたらすと、繰り返し騙されてきたのです。しかし、イランでの選挙は戦場です」

「圧政国家の中心人物として人道に対する犯罪に関与してきたイブラヒム・ライシ師が大統領に就任し、ライシ師の指導力は1980年代のイランを思い起こさせるものであり、イランに不処罰の文化が君臨していることを十分に証明しています」

ボニアディ氏は、イランの未来は「自国の人々によって、自国の街角で綴られる」としながらも、いかなる国も単独では自由と自決を追い求めることはできない、と付け加えた。そのため、同氏は「イスラム共和国が自国民にとって脅威であるだけでなく、イスラム共和国の人権侵害は主たる輸出品の一つになっているため」、安全保障理事会に対し、危機的状況にある国民を支援するよう求めた。

同氏は次のように述べた。「イランや世界中の政権による虐待の数々は、十分に立証されています」

「イスラム共和国政権は、私たちが現在集まっている場所からほんの数マイル離れた場所で最近起きた、著名な作家や 活動家の命を狙った襲撃を含めて、政治的交渉の切り札として外国人の人質を取り、国境を越えて何十人もの反体制派を威嚇、誘拐、暗殺しました」

同氏は「現在のデモはイランを神政政治から代議政治に変える可能性があり、地政学的なゲームチェンジャーとなりうる」、そして「中東に安定をもたらす唯一の重要な鍵である」という確信を示すと共に、世界の結束を呼びかけた。

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