
ダマスカス: 国営メディアは4日、イスラエルによる空爆でシリアの民間人2人が死亡したと伝えた。戦争で荒廃したシリアの政府支配地域へのこうした攻撃は1週間足らずで4度目となった。
国営シリア・アラブ通信(SANA)は軍関係者の話として、 「00:15 (グリニッジ標準時月曜2115) にイスラエルが空爆を行い…、この攻撃で民間人2人が死亡した」 と伝えた。
空爆は「占領下のシリア・ゴランの方向から行われ、ダマスカス近郊と南部地域のいくつかの地点を標的としていた」とし、防空部隊がミサイルの「大部分」を迎撃したとSANAは付け加えた。
10年以上にわたるシリアの内戦の間、イスラエルはシリア領内で数百回の空爆を行い、イランが支援する勢力やレバノンのヒズボラ戦闘員、シリア軍の陣地を主に標的にしてきた。
SANAは先に 「ダマスカス近郊で爆発音が聞こえた」 と報じている。
シリア人権監視団も同じ死者数を発表し、イスラエルが 「イランの支援を受けたグループや政権の防空部隊が支配する軍事地域を狙ってミサイルを集中的に発射した」 と付け加えた。
イスラエルのミサイルがスワイダー地方の政権軍のレーダーを標的にしたほか、ダマスカス地方のアルキスワ地区にあるガラス工場に1発が落下し、2人の民間人が死亡したという。
シリア国内に幅広い情報源を持つ英国を拠点とするシリア人権監視団によると、ミサイルはダマスカス国際空港付近やサイイダ・ゼイナブ地区近くのイランの複合施設も標的にしていたという。
同監視団によると、シリアの防空部隊は少なくとも2発のミサイルを迎撃した。
同監視団によると、2日にイラン系戦闘員2人がイスラエルによるシリアの標的への空爆で死亡し、SANAはシリア兵5人が負傷したと伝えた。
イスラエルは、30日と31日早朝にシリアの首都を攻撃した後、2日早朝に西部の都市ホムスの近くを攻撃した。
2日にはダマスカスでも珍しい自動車爆弾テロが発生したが、死者は報告されておらず、犯行声明も出されていない。
イスラエルはシリアへの攻撃についてほとんどコメントしていないが、戦争で荒廃したシリアに宿敵イランが勢力を伸ばすことは許さないと繰り返し述べている。
シリア内戦は2011年に平和的な反政府デモに対する残忍な弾圧で勃発し、外国勢力や世界のジハード主義者を引き込む致命的な武力衝突に発展した。
50万人以上が殺害され、戦前のシリア人口の約半分が故郷を追われた。
AFP