
テヘラン:イランの最高裁判所は、昨年の全国的デモの際に警察官を殺害した罪で有罪となった23歳の男性に下されていた死刑判決を棄却した。国内メディアが26日に報じた。
イラン当局は、昨年9月にクルド系イラン人女性のマフサ・アミニさんが道徳警察による拘束下で死亡した事件をきっかけに始まったデモを弾圧した際、多数の死刑判決を下した。
そのうち7人の死刑が執行され、国際的な非難や欧米からの制裁を呼んだ。
モハマド・ゴバドルー氏は昨年10月、デモ中に車両を暴走させ「警察官らを攻撃し、そのうち一人を死亡させた」として、「地上の腐敗」の罪で死刑判決を受けていた。
イランのメフル通信は同氏の弁護団のコメントを伝えている。「最高裁判所はゴバドルー氏に対する死刑判決を棄却し、同氏の精神的健康に関連した問題に対処するべくこの裁判を新たな管轄に委託した」
ゴバドルー氏の家族は、同氏が双極性障害を患っているとして、裁判所による温情措置を求めていた。
イラン当局が諸外国政府に扇動された「暴動」と決めつけていたアミニさんデモの際に死亡した数百人の中には警察官も数十人含まれていた。
当局はデモ参加者やその支持者を数千人逮捕した。
AFP