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ドバイ:1791年に制作されたメッカの全景を描いた彫版などの、中東の歴史を彩る貴重な作品が、オークションハウスであるサザビーズのトラベル、アトラス、地図、ナチュラルヒストリーのオンラインセールに出品される。
430×865mmのこの彫版は、当時制作されたものとしては最大のもので、遠くアラファト山からハッジに到着した巡礼者たちの聖地への旅路が描かれている。
この素晴らしいプリントは、1791年にイスタンブールのペラで起きた火災で焼け残った数枚のみが現存しているとされ、長い間入手不可能と言われてきた。この彫版の価値は、12,000〜18,000ポンド(16,700〜25,000ドル)と推定されている。
この作品は、先に1787年から1790年にかけてオスマン帝国の壮大な記録を出版した外交官のイグナス・ド・ムラジャ・ドーソンが依頼したものである。
5月13日に終了するこのサザビーズのセールでは、他にもメッカとメディナの画像が出品されている。
もうひとつのレアな入札品は、フランスの作家であり写真家でもあるマキシム・デュ・カンの写真集『Egypte, Nubie, Palestine et Syrie』で、エジプトの写真が112点、エルサレムの写真が6点、バールベックの写真が7点掲載されている。
成功した外科医の息子であるこの写真家は、1849年11月、27歳のときに友人の小説家ギュスターヴ・フローベールと共にエジプトを訪問した。それぞれが中東への憧れを抱き、実現は政府からの依頼でかなった。
デュ・カンは旅の間に、約60の遺跡や史跡を200枚以上撮影した。その中から125枚を選んで出版したのが本作であり、フランスで初めて写真だけで構成された書籍となった。
また、アラブ世界を描写した作品として、1907年と1908年のカイロとその周辺の風景を144枚の写真で収めたアルバムもある。
エルドン・ゴースト卿(在エジプト英国総領事、1907〜11年)、カイロのウィンストン・チャーチル、キスワの儀式、ムスタファ・カミル・パシャの葬儀などの写真が収められている。
オンラインオークションには、サウジアラビアやパレスチナなど地域のその他の国をテーマにした作品も出品されている。