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トルコ大統領、トルコが「クルド問題」を抱えていることを否定

エルドアン氏はAKP党員に対し、2015年の大統領選挙で同氏に挑戦したHDPの元共同党首セラハッティン・デミルタシュ氏は「血塗られた手を持つテロリスト」だと述べた。
エルドアン氏はAKP党員に対し、2015年の大統領選挙で同氏に挑戦したHDPの元共同党首セラハッティン・デミルタシュ氏は「血塗られた手を持つテロリスト」だと述べた。
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27 Nov 2020 08:11:30 GMT9
27 Nov 2020 08:11:30 GMT9
  • エルドアン氏は、選出されたクルド人市長65人のうち59人を解任したことを弁護した
  • エルドアン首相のクルド問題に対する意識の希薄さが、シリア、イラクのクルド人との緊張を高める可能性がある:アナリスト

アラブニュース

アンカラ:トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領は、トルコが「クルド問題」を抱えていることを否定し、反クルドの姿勢を強めると同時に、一人の政治家を「血塗られた手を持つテロリスト」だと非難した。

エルドアン氏がそのように述べたのは、11月25日、与党の公正発展党(AKP)の党員らへの演説でのことだった。

クルド労働者党(PKK)は1984年に反政府暴動を開始し、トルコ、EU、米国によってテロリスト集団に指定されている。エルドアン氏は、親クルドの国民民主主義党(HDP)がPKKとつながっていると非難しているが、HDPはそれを否定している。

エルドアン氏はAKP党員に対し、2015年の大統領選挙で同氏に挑戦したHDPの元共同党首セラハッティン・デミルタシュ氏は「血塗られた手を持つテロリスト」だと述べた。

デミルタシュ氏は、裁判所が釈放を求める命令を出しているにもかかわらず、2016年11月4日から刑務所に入れられており、不法とされているPKKに関する容疑で数百年の禁固刑が科せられている。

エルドアン大統領は、2019年3月の地方選挙以来、クルド人が多数を占める南東部の地区で選出されたクルド人市長65人のうち59人を解任したことを弁護した。

同氏は、AKPは、反クルドの実績で知られる、国家主義的な連立相手とともに、民主化改革を計画・実行するとも述べた。

トルコが長年クルド人コミュニティと行ってきた、和平への努力は一歩ずつだったが、同氏の発言はそれらを妨害する可能性が高い。シリア、イラクのクルド人に対し、より強硬な路線に政策を転換することを示唆する可能性もある。

オックスフォード大学の中東アナリスト、サミュエル・ラマニ氏によると、エルドアン氏の発言は、デミルタシュ氏の釈放を要求し、クルド人がトルコ国内で抑圧されていると主張した、ビュレント・アルンチ大統領首席補佐官が24日に辞任したことに対する反応と見るべきだという。

ラマニ氏はアラブニュースに対し「このことは、海外の視聴者がいる、イラクのルダウを含むクルド系メディアで大きく報道された」と語った。「エルドアン氏はこの問題についての憶測を止めたかった」

ラマニ氏は、エルドアン氏のクルド問題に対する意識の希薄さが、シリア、イラクのクルド人との緊張を高める可能性があると述べた。

「トルコ国内のクルド人の待遇を改善することで、米国のジョー・バイデン次期大統領に対し、トルコの政治に干渉しようとしないよう遠回しに警告してもいる」

だが、エルドアン氏の発言は、長い目で見ればほとんど問題にならないだろう、と同氏は付け加えた。

「もっと多くのことが、トルコが、行われる可能性が高まっている「平和の春作戦」のような攻勢をシリア北部で仕掛けるかどうかに掛かっているだろう。それがトランプ政権からバイデン政権への移行期に起これば、バイデン次期政権はトルコへの非難を強め、クルド人との連帯に関するレトリックを行動に移す可能性がある」

クルド人が率いるシリアの民主勢力は、米国がダーイシュと戦う上で重要なパートナーだ。バイデン氏は2019年に選挙遊説で、シリアから撤退するという米国の決定を、シリアにいるクルド人をトルコからの攻撃にさらす「完全な失敗」だと批判した。

「勇敢なクルド人パートナーの裏切りよりも陰険で、ISISの首からブーツを脱がすより危険だ」とバイデン氏は当時語っていた。

英国を拠点とするアナリスト、ビル・パーク氏は、エルドアン氏は、連立を組む民族主義者行動党(MHP)から次第に影響を受けていると述べた。

「エルドアン氏は、PKKもHDPも弱体化しており、考慮する必要はないと考えているのかもしれない」と同氏はアラブニュースに語った。「西欧諸国はこの発表に著しく反応することはないだろうが、エルドアン氏にはうんざりしている。米国やEUとトルコとの関係が改善される見込みはほとんどない。シリアのクルド人民兵組織PYDはシリア政府との和解を求めているが、イラクのクルド系の最大政党であるクルド民主党はトルコのクルド人の運命に無関心で、独自の問題を抱えている」

一方、HDPはエルドアン氏の改革の公約に懐疑的で、それらを「政治的駆け引き」だと見なしている。

ロイター通信の報道によると、HDPのMeral Danis Bestas議員は「この改革の話は誠実ではない」と述べた。「18年間政権を握り、今まで法を完全に踏みにじってきた政党だ。目標は一つ、失われた支持を取り戻すことだ」

トルコの次の選挙は、1年以内に解散選挙がなければ、2023年に行われる予定だ。

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