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40年超原発、再稼働へ=国内初、福井知事が同意―関電美浜・高浜3基

関西電力の大飯原発原子炉は、2012年1月26日、福井県大飯市で見られる。(ロイター)
関西電力の大飯原発原子炉は、2012年1月26日、福井県大飯市で見られる。(ロイター)
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29 Apr 2021 12:04:42 GMT9
29 Apr 2021 12:04:42 GMT9

運転開始から40年を超える関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)と高浜原発1、2号機(同県高浜町)について、同県の杉本達治知事は28日、再稼働への同意を表明した。既に両町や県議会は容認する姿勢を示しており、再稼働に必要な地元手続きは完了した。梶山弘志経済産業相にも同日電話で伝えた。

40年超原発の再稼働に同意すると、記者会見で表明した福井県の杉本達治知事=28日午前、同県庁

40年超原発の再稼働に同意すると、記者会見で表明した福井県の杉本達治知事=28日午前、同県庁

 東京電力福島第1原発事故後、原則40年とされた運転期間を超える原発の再稼働に地元が同意したのは初めて。安全性への懸念が残る中、国の原子力政策は大きな転換点を迎えた。

 杉本知事は記者会見で、安全確保や地域住民の理解、恒久的な地域福祉の向上を定めた「県原子力行政三原則」に基づいて検討したと説明。両町や県議会の意見などを踏まえ、「総合的に勘案し、再稼働に同意することにした」と述べた。

 使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設について、関電は「2023年末までに計画地点を確定する」としている。知事は「約束を守っていただくために、確認や必要な提言をしていきたい」と語った。

 原発事故を受けた原子炉等規制法の改正で、原発の運転期間は原則40年とされた。その上で原子力規制委員会の認可を条件に、1回に限り最長20年の延長が認められた。

 3基は1970年代に運転を開始し、原発事故が起きた2011年から停止している。関電は15年に運転延長を申請し、16年に認可された。

 杉本知事は27日、梶山経産相、関電の森本孝社長とオンラインで会談。温室効果ガス排出削減政策における原発の位置付けや、関電の安全対策、地域振興などについて「決意、覚悟を確認した」と評価した。

 高浜、美浜両町長は2月、再稼働に同意する意向を表明。県議会は今月23日の臨時議会で再稼働を前提とした意見書を賛成多数で可決し、事実上容認していた。

 美浜3号機と高浜1号機の運転延長に向けた安全対策工事は、昨年9月に完了。早ければ5月末から6月上旬に再稼働する可能性がある。ただ、高浜1、2号機は設置を義務付けられたテロ対策施設が、期限の6月9日までに完成しないため、再稼働しても短期間で停止する可能性が高い。 

JIJI Press

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