
アラブニュース
リヤド:サウジアラビアの 2022年の資金調達の要件は主に約430億リヤル(115億ドル)に上る負債の借り換えに重点を置いたものになると、王国の国家負債管理センター(NDMC)は声明で述べた。
声明によると、財務省のモハンメド・アルジャダーンが議長を務めるNDMC役員会は、先般の会合で2022年の年間借入計画を承認した。
この計画は、NDMCが引き続き利率変動を考慮しつつ積極的に市場を監視することと、王国の債務ポートフォリオの特性を強化する機会を捉えてゆくことを強調した。
2022年の公式予算報告のとおり、公的負債は2022年末まで約9380億リヤルに留まると推計されている。
「2022年を通じた市況に基づき現在の債務戦略を維持しつつ、負債資本市場と政府代替資金調達のいずれか一方または両方を含む国内外の利用可能な資金調達先を通して、政府は追加の戦術的資金調達活動を考慮する可能性があり、経済成長を促進する資本支出やインフラ融資のような機会に資金供給する」と声明は付け加えた。
昨年12月、NDMCは2021年借入計画の完了を発表し、資金調達総額は1250億リヤルだった。2021年に調達した債務の60.5%は地域の資金源からのもので、残り39.5%は国外からの借入だった。
昨年の借入計画にはいくつかの資金調達源が含まれ、中でも15億ユーロのユーロ建て債券の発行は、逆イールドの発行としては過去最高であり、EU外で3.3倍の損失負担能力で履行されると、NDMCは述べた。
逆イールドとは、投資家が債券の満期日に受け取る金額が債券の元の購入金額より少ない場合を言う。言い換えれば、発行者から利益を受け取るのではなく、預金者が満期日に貸し手に正味金額を支払うということだ。
これに加えて、NDMCは総額330億リヤルを超えるスクーク(シャリーアの規定の範囲内で発行される有価証券)と2022年に満期を迎える債券の交換取引を履行した。
昨年7月、フィッチ・レーティングスは王国の経済見通しをマイナスから安定に見直し、格付けを「A」にすることを決定し、「主要ソブリン・バランスシートの指標での小規模な悪化の見込み」を反映したと、同社ウェブサイトの報告書は記した。
別の格付け会社ムーディーズもこれにならい、11月に同国の見通しをマイナスから安定に格上げした。同社はウェブサイトで「政府は2020年の債務負担の増加のほとんどを逆転させつつ、会計上の緩衝作用も維持しするだろう」と述べた。