
東京:日本の菅義偉首相は、国際オリンピック委員会から東京五輪を開催するよう圧力をかけられていることを否定した。東京都では新型コロナウイルスの新規感染者数が急増しており、大会の開催は非常に不評となっている。
東京オリンピック開会式まであと数日となり、菅首相は、「環境は揃っており、我々は開催する準備ができている」と述べた。
ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに応じた72歳の菅首相は、大会開催を押し付けられるようなことは「全くない」と強調した。
水曜日に掲載された同紙のインタビューで菅首相は、「日本は手を挙げて、日本でオリンピックをやりたいと招致してきた。押し付けられるようなことだったら、跳ね返す」と述べた。
昨年9月に首相の座に就いた菅首相は、東京都の新型コロナウイルス感染者数は比較的少ないとし、大会の安全性を強調した。
人口約1,400万人の東京都ではここ数日、1日あたり約1,000人の新型コロナウイルスの新規感染者数が確認されているものの、これは同規模の他の主要都市に比べてはるかに少ない数字である。
東京都では水曜日、1日あたりの1,832人の新型コロナウイルス新規感染者数が確認され、今年1月以来、1日あたり最多となる新規感染者数を記録した。医療専門家らは、人々に自宅で過ごし、テレビで東京五輪を観戦し、他人との接触を避けるよう呼びかけている。
菅首相は、ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、これまで東京五輪を中止するよう何度も助言されたものの、開催を決断したと明かした。
菅首相は、「やめることは一番簡単なこと、楽なことだ」とした上で、「挑戦するのが政府の役割だ」と語った。
競技は水曜日に始まったもの、東京五輪の正式な開会式は金曜日に行われる予定であり、大会は8月8日まで開催される。
東京オリンピックの競技は、新型コロナウイルス感染が東京都や東京都以外の都市に拡大するリスクを軽減するため、ほとんど無観客で開催される。
菅首相は、東京都の感染率が比較的低いことを強調した上で、1日当たり数万人の新規感染者が出ているにもかかわらず、テニスのウィンブルドン選手権や、サッカー欧州選手権がマスクを着用していない満員の観客を入れて実行された事例など、最近の大規模スポーツイベントについても言及した。
菅首相は、「感染者数なども、海外と比べると、一桁以上といってもいいぐらい少ない」とした上で、「ワクチン接種も進んで、感染対策を厳しくやっているので、環境はそろっている、準備はできていると、そういう判断をした」と述べた。
菅政権と東京五輪組織委員会は、大会開催に固執していると世論の批判を受けてきた。
菅政権の支持率は30%をわずかに上回る数字まで急落しており、東京五輪閉幕後には、自民党総裁選と衆院解散・総選挙が控えている。
AFP