
ベルリン時事: 先進7カ国(G7)のエネルギー相は28日、オンラインで緊急会合を開き、ロシアが要求している同国通貨ルーブル建てでの天然ガス代金の支払いを拒否することで一致した。G7議長国ドイツが明らかにした。
ロシアのプーチン大統領は、日本や欧米などの「非友好国」に対し、天然ガス代金の支払いをルーブル建てに限定する方針を示していた。
会合後に記者会見したドイツのハーベック経済・気候保護相は、プーチン氏の要求は「一方的で、明確な契約違反だ」と強調。ロシアから天然ガスを輸入する企業に、ルーブルでの支払い指示に応じないよう呼び掛けた。
ロシア産天然ガスの国際取引は、通常ドル建てやユーロ建て。日米欧がプーチン氏の要求に従えば、ガス代金を払うために自国通貨でルーブルを購入することとなり、外国為替市場で相場が暴落しているルーブルを買い支えることにつながる。また、独メディアによると、G7が自ら科した対ロシア制裁に抵触する恐れもあるという。
G7の中でも特にドイツやイタリアはロシア産ガスを多く輸入している。しかし、ロシアがルーブルでの支払いを拒否した国に対してガス供給を停止した場合の対応について、ハーベック氏は「あらゆるシナリオを想定している」と述べるにとどめた。
時事通信