
ソウル/ワシントン:アメリカ、韓国、日本は先週、ハワイ沖で共同の弾道ミサイル防衛演習を行った。アメリカ国防総省が火曜日、明らかにした。北朝鮮と中国を念頭に、共同訓練が復活した形だ。
3か国がこのような演習に参加するのは、2017年以来である。1910年から1945年までの日本の朝鮮半島占領以来くすぶっている、歴史認識をめぐる対立が再燃したことで、日韓関係が近年では最悪の状態になったため、共同訓練はしばらく行われていなかった。
5月に就任した韓国の保守派大統領、尹錫悦氏は北朝鮮の抑止のために日韓関係の改善とアメリカとの同盟強化の意向を明らかにしており、共同訓練の再開や拡大も視野に入れていた。
ミサイル警戒および弾道ミサイル発見・追跡演習は多国間共同訓練「パシフィック・ドラゴン」の一環として8月8日から14日に行われた。この演習で、3か国が北朝鮮の脅威に対処し、共同の安全を守り、ルールに基づいた国際秩序を支えるという意志が示されたと、アメリカ国防総省は声明の中で述べた。
声明によると、参加国は戦術上の情報を3か国間の情報共有協定に則ってデータリンク・システムで共有した。
アメリカ主導の共同ミサイル防衛策は、中国との外交上の火種となってきた。2016年に韓国がアメリカ軍の終末高高度防衛(THAAD)ミサイルを配備すると、中国は経済的報復措置に出た。
中国政府は、THAADレーダーの探知が中国領内に及ぶとして、前政権が行ったTHAAD配備を増強しない、アメリカ主導の国際的ミサイル防衛計画に参加しない、日本を含めた3か国間の軍事同盟を結ばないという保証を守るよう尹大統領に求めている。
尹大統領の立場は、これらの保証は正式の協定ではないため、現政権はそれらに拘束されないというものだ。
さらに韓国国防省は火曜日に、8月22日から9月1日にかけて行われる米韓共同の軍事訓練で、長い間中断されていた実弾現場演習を再開すると明らかにした。
米韓両国はここ数年、新型コロナウイルス感染症の影響および北朝鮮との緊張緩和のため、共同軍事訓練の規模を縮小していた。北朝鮮は共同訓練を、自国への侵略の予行演習だとして非難している。
ロイター