
【チェンナイ(インド)時事】海上保安庁とインド沿岸警備隊の合同訓練が16日、インド南部チェンナイ沖で実施された。インド近海では近年、中国が進出を強めている。航行の自由や法の支配の確立を目指す「自由で開かれたインド太平洋」構想を共有する日印両国は、訓練実施を通じ関係の緊密さを強調し、中国をけん制したい考えだ。
日印の合同訓練は18回目。日本からは巡視船「えちご」とその搭載ヘリ、インドからは巡視船「シャウリャ」など計5隻やヘリ、航空機が参加。海賊に占拠された船の制圧や、火災の消火などを想定し、共同作業を行う。
14日に首都ニューデリーでの会合を終えた奥島高弘海保長官と、インド沿岸警備隊のナタラジャン長官が訓練を視察する。海保担当者は「共に訓練を重ねることで、海賊への対処や、船舶への立ち入り検査といった法執行能力の向上につながる」と訓練の意義を強調した。
「えちご」は昨年12月26日に新潟を出港。今回の合同訓練参加に際し、途中の公海上で海賊などに対する哨戒活動を実施してきた。今後はマレーシアに立ち寄り、2月に新潟に戻る。