
エルサレム:イスラエルは現在、来る断食月ラマダンの期間中にエルサレムにあるアル・アクサ・モスクでの礼拝を制限する可能性について検討中であると、政府報道官が述べた。極右の国家安全保障相がこの問題について決定権を失う可能性があるとの報道を受けての発言だ。
イスラエル第3の聖地であるアル・アクサは、パレスチナ国家という希望を象徴する場所だ。ここはまた、ユダヤ教徒が2つの古代寺院の遺構として神聖視する場所でもある。イスラエルによる同地の支配は政治的摩擦を引き起こしており、とりわけラマダンの期間に表面化しやすい。
イタマル・ベングビール国家安全保障相は先週、イスラエルの全人口の18%を占めるイスラム教徒がアル・アクサで平和の祈りを捧げる礼拝に人数制限を設けると述べた。
ガザ戦争の発端となった10月7日のハマスによる越境攻撃「アル・アクサの洪水」以降、イスラエルはパレスチナ人に対して一連の弾圧を実施しており、さらに強化する意向を示した形だ。
だが、イスラエルの主要テレビ局チャンネル12は28日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相がベンビール国家安全保障相の決定を覆す見通しだと報じた。
「アル・アクサの神殿の丘での礼拝という問題については、現在内閣で審議中です」と、アヴィ・ハイマン政府報道官は29日の記者会見で述べた。
報道官はまた、政府は安全保障、公衆衛生、信教の自由を考慮したうえで最終決定をおこなうとした。
ベングビール氏の報道官はコメントの求めに応じなかった。28日、同氏はXへのポストのなかで、自身の決定を覆すいかなる試みも「テロへの屈服」にあたると非難し、ネタニヤフ首相にチャンネル12の報道内容を否定するよう促した。
ロイター