ラバト: モロッコの受刑者は、仲間の受刑者のために何千ものフェイスマスクを製造し、国内のコロナウイルスの蔓延に対して少しずつ行動を起こしている。

「私たちは、刑務所の壁の向こう側からでも、集団的努力に貢献できているように感じています」と、白衣とフェイスマスクを身に着けた40歳のカリードは、刑務所の管理下でのインタビュー中にAFPに語った。

カサブランカのアインセバー刑務所—約8,000人の受刑者を収容する王国で最大の過密刑務所—の受刑者であるカリードは毎日、監房を出て消毒剤の臭い広がる長い廊下を通り、縫製工場に向かう。

彼はマスクを仕上げ、他の者が布を裁断し、全国の約8万人の受刑者に配布するために保護具をビニール袋に詰める。

北アフリカの王国は、197人の死者を含む7,300人のコロナウイルス感染者を公表している。

モロッコは封鎖を6月10日まで延長した。屋外に出る者は許可が必要で、マスクを着用しなければならない。

警察によるチェックは頻繁に行われ、逮捕された者は刑務所で最大3か月の懲役、規則に違反した場合は最大1,300ディルハム（130ドル）の罰金を科せられる恐れがある。

刑務所の管理者は、5月の初めにアインセバー刑務所で開始された試験的プログラムの目的は、被留置者間の「市民権の精神を育成すること」と「ロックダウン中の拘留管理を支援すること」である。

モロッコが3月中旬に医療の緊急事態宣言を発令したため、刑務所への訪問および外部の介入を必要とする活動はすべて中止された。

病院での受診は非常時に限定、法廷への出廷も一時停止され、ビデオ会議を通じて審理が行われている。

公式の統計によると、国の刑務所の受刑者において300件を超えるウイルスの症例が記録されており、職員の約4分の1が感染している。

権利団体は当局に対し、モロッコにおいて有名な過密刑務所における感染のリスクを抑えるために、被拘留者の一部釈放を要請した。

4月初旬、モハメッド6世王は5,600人以上の受刑者を赦免しました。

アブデラヒム・ケラリ所長は、予防措置が「厳格に」適用されているアインセバーの刑務所においては、確認されている症例はないと語った。

消毒剤は、正面玄関と監房につながる領域に設置されており、作業場のすべての作業台には消毒ジェルが置かれている。

54歳のムスタファなどのマスク製造を担当する者の一部は、逮捕前に衣料品業界で働いていた。

同氏は、「社会に役立つ」ことを嬉しく思っていると述べた。37歳の受刑者ワファアは、スキルを身に付け経験を積むために参加したと述べた。

このプログラムは、「受刑者に連帯感などの価値観を植え付けることにより、社会復帰のための準備をすること」も目的としている。

参加者はすでに刑務所での裁縫ワークショップに参加しており、マスク作りのトレーニングを2日間受講した。

参加者には、その金額は明らかにされていないが、働いた日数に基づき、労働に対して対価が支払われる。

管理者は「善行」のために選抜を行い、より短い刑に服している受刑者を優先させた、とケラリは付け加えた。

全体的には、約20あるモロッコの刑務所にいる約100人の受刑者が1日20,000枚のマスクを作っている。これは、パンデミックとの闘いで転用された地元の工場で毎日生産される1000万枚と比べると、大海の一滴である。

しかし、女性棟の作業場で働く35歳のメリエムは、このプログラムに参加したことへの満足感を次のように表した。

「パンデミックの最中に、仲間のために役立つ仕事をすることができて、とてもうれしいです。」

「たとえそれがほんの少しの貢献であっても、自分の義務を果たしていると感じています。」

AFP