• 裁判所命令をうけ、クネセト（国会）議員のイタマー・ベン・グビル氏が抗議を先導

モハメド・ナジブ

ラマッラー：3月1日にイスラエル最高裁がパレスチナ人4家族の住居からの立ち退きを回避する判決を下したものの、東エルサレムのシェイク・ジャラー地区で緊張が高まっている。

極右のクネセト（国会）議員イタマー・ベン・グビル氏は同地区にとどまり、強硬派の入植者コミュニティーを結集している。

また、イスラエル警察と国境警備隊もまだ配置されており、シェイク・ジャラー地区の住人達との連帯を示すためにやってくるパレスチナ人活動家たちをたびたび逮捕したり退去させたりしている。

裁判所が判決を下した翌日、ベン・グビル氏が率いる数十人の入植者がイスラエル治安部隊の保護のもと、シェイク・ジャラーで挑発的なデモ行進を行った。

入植者らはイスラエル国旗を掲げ、住民たちの怒りを招いた。

シェイク・ジャラーの緊張状態は世界的にパレスチナ問題の象徴となっており、昨年にはエルサレムで人々の怒りを巻き起こし、イスラエルとハマスの11日間の紛争につながった。

自らも立ち退きに直面する双子のモナ・アルクルド氏とモハメド・アルクルド氏が主導するパレスチナ人のシェイク・ジャラー住人支援運動は、ソーシャルメディア上で急速に広がっている。

シェイク・ジャラー地区委員会の最重要メンバーのひとりであるアブデルファッター・スカフィ氏は、同地区は「2つに分かれている」と述べた。

東部のKaram Al-Jaouniには28のパレスチナ人住戸があり、最高裁の判決により守られた。

しかし、西部地区Qabbaniat Umm Harounには判決の対象外の家族たちが住んでおり、依然立ち退きの危機にさらされている。

スカフィ氏は、3月1日の裁判所判決での入植者と右翼活動家に対する「断固とした否定」が入植者コミュニティーに怒りを巻き起こしたと述べた。

「裁判所の判決に抗議する入植者の最近の集会では、住人が自宅にとどまることを支持した裁判官は売国奴と呼ばれました」とスカフィ氏は述べた。

「私たちはシェイク・ジャラーにおける私たちの主張を世界に広めることに成功しましたが、信頼される国の大使や国連特使がこの地区を訪れることはありませんでした」とスカフィ氏はアラブニュースに語った。

「彼らには抗議する権利がありますが、それによって裁判所の決定が変わることはありません」

スカフィ氏は、イスラエル人3家族がパレスチナ人と共に住んでいるためにシェイク・ジャラー西部地区の緊張状態は「さらに苛烈」だとも述べた。

とはいえ、スカフィ氏とシェイク・ジャラーの住民にとって、裁判所の判決があっても問題は「まだ終わっていない」のだ。

それでも彼らはシェイク・ジャラーの土地と住居の所有権を証明しようとしつつ、緊張緩和に努めている。

裁判所はサレム一家のシェイク・ジャラー西部地区にある自宅からの立ち退きを停止することも決定した。

「裁判所の判決の後、入植者およびその支援者との闘いは東部地区から西部地区に移行したといえますが、そこにはパレスチナ人の16家族がいて、その多くが立ち退きの対象となっています」とスカフィ氏は述べた。

ベン・グビル氏はサレム一家の住居の目の前に陣取っており、警察は検問所を設けてこのエリアを封鎖している。

イスラエル警察は近隣への配備を増強しており、礼拝が行われる金曜には特に力を入れている。

シェイク・ジャラー東部に住むアレフ・ハマドさんは、同地区西部の住人も最高裁判決による同様の保護を得られることを願っているとアラブニュースに語った。

「私たちは全ての人を支持し、私たちが自宅に安全にとどまれるようアラブ諸国が支援してくれることを願っています」と彼は述べた。

シェイク・ジャラーの問題を追うパレスチナの法律関係者はアラブニュースに対し、イスラエル政府の当面の戦略は「激化の回避」だと語った。