
エルサレム:イスラエルでは、首相の妻を訪ねる美容師などの、著名人による違反が報道された後、非常に不評なコロナウイルスによる2回目のロックダウンに対する国民の怒りは深まった。
現在、一人当たりのCovid-19感染率が世界で最も高いイスラエルでは、人々が自宅から1km以内に留まることを余儀なくされ、厳格な移動制限が課されている。
大祭日にユダヤ人が友人や家族と集まることが禁じられている一方で、エッセンシャル・ワーカーだけが家を離れることを許されており、すでに疲弊した経済をさらに圧迫している。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相の家族の広報担当者は、ウイルスを封じ込める努力の一環であるとして、美容師を公邸に招くという夫人の決定を擁護した。
家族の声明によると、サラ・ネタニヤフ夫人はあらかじめ予約していた「ビデオ撮影で、全員にマスクを着用するよう呼びかけた」
「ネタニヤフ夫人は影響力のある公人であり、これは公共サービスの情報を提供するビデオだ。テレビチャンネルでの通例にしたがって、夫人は当然美容サービスを使用できると考えていた」。と声明は続けた。
美容師はマスクと手袋を着用しており、首相夫人は新しいコロナウイルス封じ込めに関するすべての保健省のガイドラインを「厳守」していると付け加えた。
イェディオト・アハロノト紙は、その説明は偽善的だとして怒りを表明した。
ロックダウンのせいで「何千人もの理髪師と美容師は家にいて、生計を立てられずにいた」と、水曜日の記事は述べた。
「改めて、イスラエル市民に適用される規則が首相の側近とその仲間には適用されないことが判明した」
サラ・ネタニヤフ夫人による検疫違反の疑いが浮上したのは、環境保護大臣とネタニヤフ首相の支持者であるガリ・ガマリエル氏がヨム・キプルにテルアビブの自宅から137km離れたティベリアに旅行した後のことだ。
イスラエルの司法長官は、ガマリエル氏に対する違反申し立ての正式な調査を開始するかどうかの決定を下すことになっている。
数日後、強力な国内諜報機関シンベトのナダブ・アルガマン長官が、ロックダウンの規則を破り仮庵の祭りの休暇中自宅に親せきを招いたと、イスラエルの公営ラジオで非難された。
アルガマン氏は、携帯電話を介し検疫違反者の追跡を担当する機関を率いている。
イスラエル・オープン大学の政治学者デニス・チャービット氏によると、重要人物による「違反」は、一般のイスラエル市民によるロックダウン違反を正当化してしまう。
「個人の自由は政府が課した封じ込めによって妨げられており、指導者らがロックダウンの規則を尊重しないなら、その規則は効力を失う」と同氏はAFPに語った。
「これらの政治家はほとんどの場合処罰を受けないため、当局に対する国民の不信感が強まっている」とも付け加えた。
野党内では、イェシュ・アティッド党の議員ミッキー・レビー氏が、仮庵の祭りを息子の家で過ごしたというメディアの報道を受けて、議会のコロナウイルス委員会を辞任した。
ネタニヤフ首相は、3月のコロナウイルス発生に対する初期対応において賞賛を勝ち得たものの、ここ数か月の感染急増と新たな規制により、政治的に不利な状況に陥っている。
首相のウイルス対策に対する不満が部分的に影響している抗議運動は続いており、全国のデモ隊は小グループで集まるなどして、ロックダウン措置の遵守に絶えず適応している。
一方、イスラエルのチャンネル12が行った今週の世論調査によると、3月の投票で120議席のうち36議席を獲得したネタニヤフ首相の右翼リクード党は、現在26議席のみとなっている。
同じ調査によると、イスラエル市民の65%は、ネタニヤフ首相のコロナウイルス危機への対応が「不十分」だと考えている。
AFP