
アラブニュース
ジェッダ:イスラエルで連立政権を発足させて政権交代を実現し、ネタニヤフ首相の続投を阻止するための連立協議の期限が2日の真夜中に迫っている。
新たな連立を主導しているのは、中道派政党「イエシュ・アティド」の党首で元テレビ司会者のヤイル・ラピド氏と、極右政党「ヤミナ」の党首でIT企業経営者として財を成したナフタリ・ベネット氏だ。
ラピド氏は連立協議においてベネット氏が先に首相の座に就くことで合意し、連立による政権奪取に向けて動いている。
両者は政策もイデオロギーも異なるイスラエルの多様な政党の連立を取りまとめようと、交渉を急いでいる。連立側はただ反ネタニヤフの一点でのみで団結している形だ。
さらに、イスラエルの国会に当たるクネセトで120議席のうち61議席を得て、過半数を獲得する必要があることから、新たな連立政権の成立には、ほぼ確実にマンスール・アッバース氏率いるイスラム系政党「ラアム」を引き込む必要がある。
政治アナリストのアフィフ・アブ・ムク氏は1日、アッバース氏は閣僚ポストを求めてはおらず、2つの議会委員会の委員長職とアラブ人コミュニティのための予算を要望しているとの見方を示した。
アッバース氏はまた、アラブ人コミュニティに多大な影響を及ぼしている違法建築の罰則強化に関する法律の撤廃も目指している。「ラアムは政権の一翼を担いたいわけではないのだ」とアブ・ムク氏は指摘する。「ラアムの願いはイスラエルに住むアラブ系の人々の問題に取り組むことです」
アッバース氏は1日、連立協議は「良い方向に」進んでいるが、「完全にまとまるまでは、どうなるかは全くわからない」と述べた。
多くの者がネタニヤフ首相に反対する姿勢を示しているが、イスラエルで最長就任期間を誇る首相は多くの危機をかいくぐってきた熟練した政治手腕の持ち主で、12年間長きにわたり政権を維持してきた。識者らはネタニヤフ首相がもう終わったと考えるべきではないと警告する。
政治研究者のジョナサン・ラインホールド氏は、反対者たちは強力だが、ネタニヤフ氏は圧倒的なゲーム巧者だと指摘している。