
ナジャ・フーサリ
ベイルート:レバノンのナジーブ・ミカティ大統領は水曜、配給券プラットフォームおよび緊急社会的セーフティネットプロジェクトを立ち上げると発表した。
これらのプログラムは世界銀行と国連が資金援助・支援するもので、レバノンで最も脆弱な人々を助けることを意図している。
配給券のプラットフォームは解散したハッサン・ディアブ内閣が9月9日に発表した後、資金調達の問題や世界銀行による異議により暗礁に乗り上げていた。
同プラットフォームは、抗議デモを抑えるために燃料の補助金の撤廃を行う前に立ち上げられる予定だった。
ミカティ大統領は発表で、10月12日以降の国会の開会妨害に触れた。「路上で抗議デモを繰り広げ怒りを表す人々にその権利があるなら、以前権力の座にあった者および現在ある者は、責任を逃れたり、国を救おうと今戦いに挑んでいる者をけなしたりする権利はない」と述べた。
大統領が主催した国内外での外交会議の場ではある表現が何度も繰り返し発された、と大統領は述べた。それは、「まず自らを助けよ、そうすれば我々もあなたがたを助ける」というものだ。これは、レバノンが前進するために、すべてのレバノン当局者およびリーダーに協力が求められる責任の範囲を示すものであると、大統領は説明した。
「これらの2つのプロジェクトの受益者は最低限の生活の基本要件を確保するための、透明性の高い基準に基づいて選定される。2カ月間にわたる登録期間ではいかなる不正も防止するために注意深く監視を行い、その後来年初頭、2022年1月から支払いプロセスを遡及的な形で開始する」と大統領は述べた。
同省は現在、額面25ドルの食糧配給券に加え家族1人当たり15ドルを支給し、極貧にあえぐ36,000世帯を支援している。これらの世帯の子どもはEUによる資金援助のおかげで公立学校に通い、無料の一次医療を享受している。同省では75,000世帯の援助を開始することを目標としている。
「第一段階では、レバノンの150,000世帯と公立学校に通う87,000人の子どもたちを対象とする社会的セーフティネットプログラムの導入を開始する」と、ヘクトール・ハッジャール社会問題大臣は述べた。
また、大臣は「これらのプログラムは解決策ではない。むしろ、経済回復が始まるまでの間国民が何とか暮らしていくことを助けるための一時的支援である」と付け加えた。
「IMPACTプラットフォームおよび付随するウェブページのデータ操作の防止とユーザープライバシーの徹底を目指し、安全保障および仮想空間面を見直すことを目的とした、内務大臣主導による委員会を発足させるための」決定を発行したとミカティ大統領は述べた。
ハッジャール大臣によると、プラットフォームでは1日当たり約20,000人の登録が見込まれるとしている。
世界銀行の報告書では、レバノンではますます多くの世帯が貧困ラインを割り込んでいることが明らかになった。
国際貧困ラインを割り込んだレバノン人の割合は2020年には13パーセント増加したと推定され、2021年末までにはさらに28パーセントにも増加すると見られている。これはレバノン人150万人に相当する数字である。
一方、シリア難民は780,000人が貧困ラインを割り込んでおり、2020年には39パーセントに、2021年には52パーセントに増加したものと推定される。
同レポートではレバノンに連続的に影響を及ぼした金融危機にも触れ、「レバノン政府は国民・住民ともに社会的支援を提供するにも身動きがとれない状態だ」としている。
レバノンが3年連続で複合的な危機による打撃を受けていることで混乱が拡大し、安全や安定が乱されるなど、さらなる影響が及ぶことを各国際機関は恐れている。特に製品、燃料、運輸、医薬品、発電所による電力、その他生活必需品の価格の著しい高騰を鑑みればなおさらのことだ。
「回復を達成するためには抜本的な改革が不可欠であり、社会保障プログラムは複数の危機による影響を最小限に抑えるうえで非常に有用である」と世界銀行は述べた。