
ベイルート:日本の司法からの劇的な逃亡後、日産自動車元会長カルロス・ゴーンが14日、ベイルートで語った。逮捕直後にフランス大使より、日産がゴーンに対して謀反を企てていると忠告を受けていた。
「正直に言って、逮捕にはショックを受けました。そして一番最初に頼んだことは、日産に知らせて弁護士をよこして欲しいということでした」と、ゴーンはベイルートで行われたロイターとのインタビューで言った。
「そして次の日、逮捕の24時間後、フランス大使の訪問を受けました。彼は私にこう言ったのです、『日産があなたに対して謀反を企てている』と。そしてその時、すべては仕組まれたものだと悟ったのです」
不正な報酬を受け取ったことを認め昨年辞任させられた元日産自動車CEO西川廣人氏は、ゴーンが逮捕された数時間後の記者会見で、ゴーンは会社の資金を私的に流用しており、長年にわたり報酬を過少申告していたと話した。
日産を倒産の瀬戸際から救ったことで広く尊敬を集めていたゴーンの逮捕により、日本の刑事司法制度が国際的に注視されている。
東京のフランス大使館にコメントを求めたが、速やかな回答は得られなかった。
日産は以前のコメントを繰り返した。このコメントには、「綿密で徹底した内部調査の結果、ゴーン氏の不正行為を数多く見つけました。会社は、ゴーン氏は役員の職に相応しくないと決定し、彼をすべての役職から外しました」との発言も含まれる。
日本での訴追に加えて、ゴーンが「不正に」報酬を過少申告していたことが米国証券取引委員会(SEC)にも見つかり、フランス当局は捜査をしているとのことだ。
現在注目を集めている慣行の中には、容疑者を長期に渡り拘留したり、1日8時間続くこともある取り調べに弁護士を同席させないことなどがある。
「『あなたが逮捕されてから2、3時間後に、西川氏が記者会見を行い恥ずべき発言をしましたよ、いいですか、 こう言ったのです、“驚きましたが、私は次のような報告を受けています……”』と、大使が私に伝えた時、つまり、大使が西川氏が語ったことを私に伝えた時に、私は言ったのです、『なんてことだ、これは陰謀だ』と」
ゴーン(65)は先月、報酬過少申告、背任、会社資金横領の容疑で裁判を待つ間に日本から逃げたが、彼はこれらの容疑をすべて否認している。
かつての自動車産業の巨人は、逃亡するか、公正な裁判を受けずに日本で衰弱していくことに残りの人生すべてを費やすかの選択肢しかなかっただろうと言った。
ゴーンは、自らの汚名をはらすために、子供時代を過ごしたレバノンの家に逃げたのだと言った。驚くべき逃亡劇について相反する話がいくつもあるが、逃亡方法について話すことを拒否した。
東京地検は、ゴーンの主張する陰謀は存在せず、彼は自分の行動を正当化することに失敗したのだとしている。
14カ月にわたる物語は世界の自動車産業を揺るがし、ゴーンが首謀したルノーと日産の提携を危機にさらしている。
日本の法務省は、日本とレバノンに犯罪者引渡条約は結ばれていないものの、ゴーンをレバノンから日本に送還する方法を探しているとのことだ。ゴーンによれば、日本当局は正当な裁判を受けさせないように懸命であったとのことだ。
ロイター