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EUの運命はCOVID-19からの回復で決まる

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21 Mar 2020 01:03:00 GMT9
コーネリア・メイヤー
21 Mar 2020 01:03:00 GMT9

ヨーロッパは急速にコロナウイルス流行の新たなホットスポットとなり、一人当たりの感染率および死亡者数は中国での危機最盛期のそれを上回っている。最も影響を受けたイタリアとスペインは、木曜の時点でそれぞれ35,000人の感染者と2,900人の死亡者、14,000人の感染者と638人の死者を出している。

これにより、EUがコロナウイルスに関して何ができるか、何をするのかが浮き彫りにされる。しばらく時間がかかり、何度かの停止と開始を要したが、欧州中央銀行(ECB)は水曜に7,500億ユーロ(8,130億ドル)の債券購入プログラムを発表し、同行のクリスティーヌ・ラガルド総裁はユーロ圏およびユーロが回り続けるために必要なことは何でもすると明言した。総裁は、ECBの取り組みは国家レベルの財政措置によって支えられる必要があると事前に主張していた。

各国の中央銀行と財務大臣は可能な限り最大限の調整を行ってきた。いくつかの国は中小企業、特に小売業者等のための支援措置を発表している。フランスは3,000億ユーロの支援措置を立ち上げ、ドイツのオラフ・ショルツ財務大臣はコロナウイルスの影響を受けたすべての企業に無制限の信用を提供すると明言し、バイエルン州は100億ユーロの救済措置を約束した。裕福な小国スイスも大きな打撃を受けており、連邦政府は非常事態を宣言している。同国はEUには属さないがECBと調整し、企業を支援するために1,000億スイスフラン(1,020億ドル)の基金を提供した。自動車メーカーなどの製造業大手でさえも一社また一社と閉鎖する中、これらの支援措置は差し迫って必要となっている。閉鎖していないメーカーは、病院用の人工呼吸器やマスク・手袋等の保護材を製造するために工場を改造できる会社だけだ。

これらすべては今のところとても良さそうである。金融政策の調整に関しては、経済調整は可能な限り機能する。それでも、EUの財務大臣たちが4,000億ユーロの救援基金の展開方法を決定しようとしたとき、彼らは合意できなかった。

しかし国境や医療の話になると、事態は悪化する。後者は、これまで大部分が各国政府の権限に委ねられてきた。

今週初め、EUは住民や重要な医療スタッフを除くすべての非EU市民に対して外部国境の閉鎖を始めた。非EU市民が水曜にフランクフルト空港に到着したとき、飛行中に禁止命令が出されていたためすぐに引き返された。ほとんどの国営航空会社は待機中か、最大20%の輸送能力で運営している。小規模な航空会社は、今回のウイルスの大流行を生き残れないかもしれない。

特に、各EU加盟国は日に日に国民国家モデルに逆戻りしているようで、国境閉鎖はうまく調整されていない。オーストリアは、イタリア、スイス、ドイツ、スペインとの国境を閉鎖した最初の国だった(オーストリアとスペインの間には国境がないため、空路にて)。ドイツ、ベルギー、オランダ、ハンガリーは当分の間除外対象となる貨物輸送を除き、次々と国境を閉鎖した(ただし、貨物輸送には大幅な遅延が発生している)。欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は、人に対しては国境を閉鎖しても、食料や必需品の供給を確実にするために貨物用には開いたままにすると明言した。それでも、ドイツはEU各国の保健大臣たちが介入するまで、防護服やフェイスマスク、手袋の輸出を許可しなかった。

すべてのヨーロッパの国が自宅待機・隔離政策に落ち着いたように見え、公共交通機関は完全停止または厳しく制限されているが、ここに至るまで相当の時間差があった。より協調的なアプローチがとれていれば、ウイルス拡散を抑制するために多くのことができたはずだ―より厳しい対策をより早期に実行することが重要だった。

コロナウイルスが落ち着いたら、EU-27間の連帯が重要となる。裕福な北部が貧しい南部と肩を並べる準備ができなければ、EUの終わりとなるかもしれない

コーネリア・マイヤー

コロナウイルスのようなパンデミックは本質的にグローバルであり、嘆かわしいことにこれまで存在しなかったグローバルな対応メカニズムが必要である。これこそが国連と世界保健機関(WHO)およびその資金が必要な理由だ。また各国政府の多くがあまりにも頻繁に危険も顧みず両機関の助言を無視してきたが、特にWHOについてはしっかりと耳を傾ける必要がある。

COVID-19はまた、EUの限界を浮き彫りにした。これまでに27カ国が緊密に協力し、同じ保健政策に取り組むべき事例があったとしたら、これがそのはずであった。フランスは隔離し、オランダは集団免疫を当てにする、などというバラバラなことではいけない。

この伝染病が落ち着いたら、評価の時となるであろう。EU-27が荒廃した経済の再建を試みる上では、連帯が重要となる。裕福な北部が貧しい南部と肩を並べる準備ができないならばEUの存在意義が失われ、EUの終わりとなるかもしれない。さておき、欧州全体は医療政策に関して調整し、連帯を示し、人口全体に必需品が確実に供給されるよう徹底せねばならない。

コーネリア・マイヤーは、ビジネスコンサルタント、マクロエコノミスト、エネルギー専門家である。ツイッター: @MeyerResources

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