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チュニジアの労働組合、危機対処のため早急な新首相任命を求める

チュニジアで最も強力な政治勢力の1つ、チュニジア労働総同盟(UGTT)の支持者たち。(ファイル写真:AP)
チュニジアで最も強力な政治勢力の1つ、チュニジア労働総同盟(UGTT)の支持者たち。(ファイル写真:AP)
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04 Aug 2021 05:08:18 GMT9
04 Aug 2021 05:08:18 GMT9

チュニス:チュニジア最大の労働組合組織は3日、反対派にクーデターと呼ばれる介入措置で行政権を掌握した同国のサイード大統領に対し、経験豊富な首相が率いる小規模な新政府を早急に発足させるよう求めた。

カイス・サイード大統領は、自らの行動は合憲だと弁明し、緊急時には新首相と共に統治すると述べているが、大統領の介入から9日経った現在も新首相は指名されていない。

「新政府の発表をひと月も待つことはできません」とチュニジアで最も強力な政治勢力の1つである労働組合組織、チュニジア労働総同盟(UGTT)のサミ・ターリ報道担当は述べた。

その後、UGTTのヌールディン・タボウビ書記長は、同じ3日に国営テレビで、内閣は小さく、経験豊富な誰かが率いる構成にして、チュニジア国民と国際的な貸し手の両者に前向きなメッセージを送るべきだと主張した。

「私たちは、経済および国民の健康に関する課題に取り組めるよう、早急に政府を樹立しなければなりません」とタボウビ書記長は語った。

サイード大統領による7月25日の突然の措置は、広く国民の支持を得たように見えたが、「アラブの春」のきっかけとなった2011年の革命によってチュニジアが実現した民主主義のシステムの先行きに対する懸念も引き起こしている。

サイード大統領は3日、サイチュニジアの駐米大使を解任した。これは、先週の数人の閣僚を含む政府高官と中堅幹部の一連の解任に続くものだ。解任に際して大統領は後任の駐米大使を指名しなかった。

サイード大統領はまた、緊急措置期間を当初1か月に設定し、その後2か月に延びる可能性もあると発言していたが、措置終了に向けた日程も依然発表していない。

カルタゴの大統領府に近い関係者は、サイード大統領が3日に新首相を発表するかもしれないと語っていた。複数の関係者がロイター通信に語ったところによると、中央銀行のマルアン・アバシ総裁と2人の元財務相、ハキム・ハモウダとニザール・ヤイチの両氏が候補に挙がっているという。

一方、大統領の最も強力な対抗組織、穏健派のイスラム主義政党アンナハダは、危機への対応と長期的な戦略およびリーダーシップをめぐって内部分裂に陥っている。

過去10年間、チュニジアの人々は、経済の停滞、汚職、しばしば国の問題よりも自分たちの目先の利益に集中しているように見える政治家階級内の争いに対し、苛立ちを募らせていた。

この2ヶ月間、新型コロナウイルスがチュニジアで特に猛威を振るっており、国のワクチン接種の取り組みが遅れたため、一時はアフリカで最悪の感染率と死亡率を記録した。昨年の新型コロナ対策も、経済に打撃を与える結果となった。

サイード大統領は先週、「誤った経済政策」が国に損害を与えたと述べ、週明けの2日には財務、農業、通信の各大臣を交代させた。

大統領はまた、金融支援のために「友好的な国々」と接触していると1日に述べている。(取材:タレク・アマラ、執筆:アンガス・マクドウォール、編集:ウィリアム・マクリーン、マーク・ハインリヒ)

ロイター

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