
タレク・アル=タカフィ
メッカ:サウジアラビアの新たなウムラ(小巡礼)アプリがビジネス環境の競争を激化させ、巡礼者向けのサービスは改善し、巡礼体験は豊かになるだろうと、ある政府高官は述べた。
「I’tamarna」は、COVID-19パンデミック禍においての衛生基準の強化、および旅行者の予約の簡便化を目指している。またこのサービスでは、巡礼者がメッカに到着する前に、宿泊施設や交通機関、レクリエーション施設の予約を行うこともできる。
ハッジ・ウムラ省の最高企画・戦略責任者であるアムル・アル=マッダ博士は、アプリのリリースにより、企業は人々により幅広く、より良いサービスを提供するようになるだろうと述べた。
「我々が競争力のある価格で高品質のサービスを提供すれば、特に地域の巡礼者に競争力のある価格で最高のサービスを提供するための努力を惜しまない企業が、巡礼者を引き寄せることだろう」と、アル=マッダ博士はアラブニュースに語った。
また、今までウムラに関するすべてを管理していた外部のエージェントは、あくまでエージェントに過ぎず、施設を所有していないため、もはやこれまで通りにはいかないだろうと、博士は付け加えている。海外のウムラ企業を代表し、販売活動を行うことがエージェントの業務だった。
アル=マッダ博士によれば、新たな措置によってこうした問題は解決し、ウムラ企業および外部エージェントとの関係が厳密に市場原理に基づいたものになるよう編成されるとのことだ。
「新たに採用された措置により、特に複数の電子プラットフォームを通して予約が行われる際にウムラ企業を解放し、企業のモチベーションを高めることができるだろう。これによって外国人巡礼者は、外部のエージェントだけでなく、電話やアプリ、その他の手段を使って、直接ウムラ企業と取引することができるようになる。その結果、ウムラ企業は解放され、業績を向上し、サウジアラビア国内および国外にてサービスを販売することができるようになるだろう」
サウジアラビアは今週初め、巡礼者によるウムラ実施の許可を、必要な予防策を講じながら段階的に始めると発表した。この決定は、世界中のムスリムからの儀式実施の要望に応え、パンデミックの進行状況を評価した上で行われた。
「新型コロナウイルスのパンデミックとその影響、および予防措置での具体的な巡礼者の数の必要性に従い、このアプリをローンチすることになった」と、アル=マッダ博士は語った。「超えてはならない定員が設定されている。これにより、聖地が過密状態となることを防ぎ、巡礼者間でのウイルスの拡散を抑える」
博士は、その運営定員は保健相の「Tawakkalna」アプリを介して計算され、巡礼者は「I’tamarna」を使って、抗コロナウイルス予防措置を取りながら、特定の時間にウムラの予約を取ることになると述べた。
段階的復帰の第一段階では、10月4日からサウジアラビア国内の市民や駐在員を対象に、定員の30%(一日に6000人)までウムラを実施できるようにする。
第二段階ではグランドモスクの定員を75%に増やし、10月18日からは一日に1万5000人の巡礼者と4万人の参拝者が訪れることになる。
第三段階では、11月1日から海外からの巡礼者によるウムラ実施を許可し、一日の定員を巡礼者2万人、参拝者6万人とする。
第四段階では、COVID-19のリスクが去った際に、グランドモスクを通常の状態に復帰させる。巡礼者は9月28日からアプリのダウンロードが可能だ。